来週は国際数学オリンピックIMO 2026が上海で開催されます。

国際数学オリンピックは、世界100以上の国と地域から選ばれた代表選手たちが数学の難問に挑む世界的な数学コンテストです。

今年、息子は日本選手団のオブザーバーとして会場となる上海へ赴きます。

毎年、IMOの時期になると、息子が歩んできた道のりが、自然と思い出されます。

小学6年生で初めて数学オリンピックに挑戦した日。

思うように力が及ばず、何度も何度も悔しい思いをしてきたこと。

それでもあきらめずに、中高の6年間をかけて少しずつ力を積み重ねていった日々。

そして、高校3年生で日本代表という大きな夢をつかむまでの長かった道のり。

でも、その原点は、もっとずっと前にありました。

幼い頃、数字で遊び、図形に夢中になり、親子で一緒に折り紙を楽しんだ、あの時間です。

正方形の紙が様々な形へと変わる不思議。

「どうしてこうなるんだろう?」

そんな小さな疑問と気付きの積み重ねが、「考えるって、おもしろい。」という気持ちを育ててくれました。

私は、子どもが「楽しい」と感じる遊びの中にこそ低学年までの学びの種はあると思っています。

もちろん、ただ遊べばよいということではありません。

子どもが夢中になれる環境の中で、自分の手を動かし、考え、試し、失敗し、もう一度挑戦する。

そんな経験の積み重ねが、学びの土台を育てていくのだと思っています。

だから私は、低学年の子どもたちには、結果を急がせるよりも、夢中になって何かに向き合う時間をたくさん味わってほしいと思っています。

今夏もそんな思いを込めて、折り紙講座を開きます。

算数を得意にする近道としてではなく、

「考えるって、おもしろい。」

そう感じられる時間を、子どもたちに味わって欲しいと思っています。


折り紙のよさは、答えを教わる前に、自分の手で試せるところにあります。

折ってみる。

開いてみる。

向きを変えてみる。

思った形にならなければ、もう一度やってみる。

その試行錯誤の中で、子どもたちは自然に図形を感じ、順序を考え、集中して一つのものに向き合っていきます。


一枚の紙を前に目を輝かせ、

「できた!」

「もう一回やってみたい!」

そんな時間を過ごす子どもたちを見ていると、幼い頃の息子の姿が思い浮かびます。

子どもの頃に夢中になった、小さな「おもしろい!」。

その時間は、すぐに何かの結果につながるものではないかもしれません。

けれど、考えることを楽しむ心は、そんなささやかな時間の中で、少しずつ育ってゆくのだと思います。