2015/10/15(木)~ ランチで良い思い出 ~
■お世話に成ります。
メンタルヘルス薬剤師・松葉芳典です。
夜は海の幸を提供する居酒屋さんですが…
お昼は、ランチタイム営業をしてらっしゃいます。
今日の日替わりランチはタラでしたが、
お勧めは?美味しいのは?と尋ねると、
お客さんが「全部!」と返事をしました。
詳しくは、編集後記で…
■プルースト『失われた時を求めて』(15)
長編小説『失われた時を求めて』を読み解いて行きます。
長編小説の主題を遠くから照らし出す雛形「スワンの恋」
ーーゆきとどいた解説と対話で味読する『失われた時を求めて』ーー
■ソナタと恋の発生(3)
しかし、このような感覚が私たちの内心で充分に形成される前に、
その音は消え失せ、つぎの音や同時に出た音などが
すでに呼び覚ましてくれる感覚にのみこまれてしまう。
しかもこのような印象は、その流れるような「ぼかし」で、
ときおりそこから現れ出て、やがて沈んでは消えてゆく
ほとんど判別できないモチーフをつつみ隠すだろう。
そんなモチーフが知られるのは、それがもたらす特殊な喜びによるだけで、
描き出すことも、思い出すことも、なづけることも不可能な、
言いようのないモチーフなのだ__とはいえ記憶が、
まるで揺れうごく波間にしっかりした土台を築こうと精を出す大工のように、
私たちのためにこのはかない楽節の複製を作成してくれ、
そのおかげで私たちはそれをつぎの楽節と比べたり、
区別したりできるのである。
こうしてスワンの覚えた甘美な感覚が消えていくやいなや、
記憶が即座にそのおおまかな仮の写しをつくってくれ、
曲が進行しているあいだもそれを見ていたので、
同じ印象がいきなり戻ってきても、
もはや捉えられないものではなくなっているのだった。
スワンはその音域、対称をなす集合、書記法、
表現力に富んだ音の長さなどを想いえがく。
目の前にあるものは、もはや純粋な音楽ではなく、
どちらかというとデッサンであり、
建築であり、思考であり、
つまるところ音楽を思いださせてくれるものである。
こんどスワンは、ひとつの楽節がしばらくのあいだ
音の波のうえに立ちのぼるのをはっきりと見分けることができた。
やがて楽節は、特殊な官能の悦びをもたらしてくれた。
スワンがそれを聴くまでは想いもよらなかった。
その楽節しか教えてくれないような悦びだったので、
スワンはそれに経験したことのない恋心を覚えたのである。

