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二十世紀初頭のスペインを代表する哲学者であり、世紀末の混乱の中でヨーロッパ文明の将来を憂えた思想家ホセ・オルテガ=イ=ガセットは、当時の社会危機の根源が「大衆の反逆」にあると主張した。

彼の言う大衆とは経済的・階級的な概念ではなく、知的・精神的に優れた人間に対する凡俗な平均人を意味し、彼らが過度の平等と民主主義を要求することによって社会秩序が失われ、やがては全体主義の危険をもたらす、と唱えた。

ジャーナリストの家系に生まれ、ドイツで新カント派に学ぶが、のちに「私は私と私の環境」という命題のもと、独自の「生の理性」哲学を生みだして世界的な注目を浴びる。

米西戦争に敗れ、没落期を迎えた母国スペインの復興、とくにその文化的沈滞状況からの脱出のために生涯を捧げた行動派の教育者・ジャーナリストであった。本書は、彼の実像を浮き彫りにしようとした力作である。

オルテガ―人と思想〈138〉 (Century Books)/渡辺 修

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