血縁選択説(けつえんせんたくせつ、または血縁淘汰説)とは、進化生物学における重要な概念の一つで、動物の利他的行動を自然選択説で説明することを可能にした理論である。この説が提唱される以前の自然選択説では、社会性昆虫における不妊の階級の存在や動物が見せる利他的行動が困難であったが、これを遺伝子の伝達は直接に子供を作ることだけではなく、親戚を増やすことでも可能であることを根拠に説明し、行動生態学の基礎を築いた。要約すれば血縁選択説は「利他行動が、それに関わる遺伝子を集団平均よりも有意に高い確率で持つ可能性のある他個体へ重点的に差し向けられる場合に、利他的行動は進化する」と予測する。