『インフルエンザ脳症の子供を持つ、人差し指の無い母親の気持ち。その一』


 インフルエンザ脳症(‐のうしょう)とは、インフルエンザウイルス感染に伴う発熱後、急速に神経障害・意識障害を伴う症候。病型は、急性壊死性脳症、ライ症候群、HSE症候群(hemorrhagic shock and encephalopathy syndrome、出血性ショック脳症症候群)などに分類されている。また、狭義の意味としてインフルエンザ脳症=急性壊死性脳症という使い方もある。

『1. 急性壊死性脳症』
 5歳以下(特に1~3歳)に好発し、A型インフルエンザ(A香港型)が原因のことが多い。発熱して平均1.4日後に発症する。嘔吐・下痢・腎機能障害とともに意識障害も出現する。血小板が減少しDIC(播種性血管内凝固症候群)になることもある。原因は不明であるが、解熱剤のNSAID内服など、何らかの原因で脳の血管内皮細胞が障害されて起こるということがわかっている。なお、DICを合併した場合をHSE症候群という。

『2. ライ症候群』
 6~12歳に好発し、B型インフルエンザが原因のことが多い。他、水痘・帯状疱疹ウイルスなどでも生じる。発熱して5~7日後に発症することが多い。嘔吐・意識障害・痙攣を生じる。また、高度の肝機能障害・低血糖・高アンモニア血症も伴うことがある。解熱剤のアスピリンに含まれるサリチル酸がミトコンドリアを障害するという説がある。

 実際はインフルエンザウイルスが発症者の脳から検出されたことはなく、メフェナム酸(ポンタール)やジクロフェナク(ボルタレン)といった、強すぎて海外では既に使われていないが日本国内では認可されている解熱剤により発症するという意見も無視することはできない。