子宮内膜症(しきゅうないまくしょう、)は、子宮内膜やそれに類似した組織が子宮内腔や子宮体部以外の骨盤内で増殖する疾患。


『1. 概念』
 子宮内膜が子宮外で増殖する疾患である。良性の疾患ではあるが、転移や浸潤するなど悪性腫瘍のような性質も併せ持っている。子宮外にあるとはいえ子宮内膜であることに変わりはないので、エストロゲンに依存して発育していく。


『2. 病態』
 子宮内膜上皮細胞や間質細胞が正常な筋組織や結合組織の間に浸潤する。細胞は子宮内膜と同様の構造を持ち、ホルモンの周期にあわせて内膜の増殖や剥離が起こり、月経時には出血もする。なお、増殖のみが起こり出血しないものもある。

 このとき出血した血液は組織間に貯留し、血腫を形成して「ブルーベリー・スポット」と呼ばれる嚢胞を生じる。卵巣などでは「チョコレート嚢胞」と呼ばれる強い癒着を引き起こす嚢胞が発生する。月経困難症はこれによるものである。

 また、出血で周囲組織に血液が浸潤した結果、組織が線維化して癒着を硬結を引き起こす。その結果、凍結骨盤と呼ばれる骨盤内膿瘍が癒着のために一塊となる状態にもなる。