2時間を越える長尺な作品で、尚且つ話の大筋は「逃走劇」
しかし全くダレる事なく緊張感をウマく保ち、ドキュメンタリーにも似た人間臭さと共に衝撃度も演出され、何らかのメッセージ性も感じさせられる異色の映像。
時代設定はマヤ文明後期。
族長の息子であるジャガー・パウは、笑いが耐えない村で妻子と共に幸せに暮らしていた。
ところがある日、そんな平穏な生活が覆される。マヤ帝国のハンターが攻めてきたのだ。
ある村民は殺され、幼子は村に置き去り。ジャガー・パウは仲間達と共に生贄としてマヤ帝国へ連れて行かれる。
隙を見て逃げ出したパウ。妻子の元まで逃走できるのか!?
ずっと土偶だと思ってました(笑)![]()
全編マヤ語。これの効果大で、まるでドキュメンタリー(もしくはウルルン滞在記)を見ている錯覚に陥る。
冒頭は平和な村の狩風景なのだが、ここから既に辛い人もいるだろう。野豚を狩る平和な村民・・・
まさか、その後に狩られる側になろうとは想像もつくまい。しかも、見事に豚側と後に狩られる村民とリンクする。
この主人公であるジャガー・パウが、私にはナイナイの岡村に見えて仕方なかった(;^ω^)そして、彼のライバル的存在の人がガレッジセールのゴリに見えて仕方がない![]()
彼は狩人としては腕の立つ方ではあるが、狩られる側になって初めて翻弄する事になる。が、尊敬する父の教えを思い出し、命からがら逃げ惑う間に冷静さを取り戻していく。
主人公の妻は妊娠中なんですよ。しかも臨月。
長男と共に穴の中に隠すワケですが、この嫁もとにかく頑張ります。あのお腹、本当に妊娠しているのでは??
それだけではなく、殺し合いに発展する時に見える映像は本物かと見間違うばかりの迫力ですよ。
狩られる側に感情移入し、とにかくハラハラしっぱなし!「逃げてぇ~!」と祈りながら見てました。
登場人物はほとんどマイナーな人達。ネイティブ・アメリカンが多いようです。それも良かったんでしょうね。
名選手が必ずしも名監督になるとは言えない。
名を馳せた俳優が、必ずしも名監督になるとは言えない。
しかし、この監督であるメル・ギブソンの頭の中は一体どうなっているのでしょうか?
この題材を選んだのも不思議ではあるが、躍動感あるカメラワーク、変なサントラを使用せず見るものを惹き寄せる原住民っぽい効果音。
私は、見事成功したと思った。
『ブレイブハート』や『パッション』を彷彿とさせるシーンもあったけど、これは狙ったのかしらん?
文化と共にモラルは作られた。
そのモラルなき文化を破ったのが、主人公であるパウなのかもしれない。
人は何より恐ろしい。しかし、恐れは病。伝染せぬよう、恐れを恐れるな。
この逃走劇、見てる者の鼓動も早くなる。
同時期に公開された『300』
はリアリティはないが迫力ある戦闘映画でしたが、こちらは生々しい戦闘。私は断然こちらを推します。
07/06/12
