『グラインドハウス』
で公開されたタランティーノ作品、『デス・プルーフ』
こちらはホラー要素よりもカー・チェイスが主なので、カー・アクションの部類に入るのかもしれない。ただ、あのタランティーノの作品なので熱くなるようなアクション劇ではなく、ねっとりとした油が突然爆発するような、そんな感じ。
舞台はテキサス。人気DJであるジャングル・ジュリアと、その友達のアーリーン、シャナ達3人は、街のバーでハッパと酒で最高にハッピーになっていた。
しかしそのバーで、顔に派手な傷のあるスタントマン・マイクと言う男が近寄ってくる。この男の乗る車は、ボンネットにドクロマークを乗せたデス・プルーフ!(耐死使用)
車を武器に美女を狙うスタントマン・マイクの標的となった3人は、本人達も気が付かないうちに昇天する事となる。
それから14ヵ月後。今度はテネシー州でスタントマン・マイクは標的を見つける。
ところが標的となった女達は本物のスタント・ウーマンであり、マイクに負けずとも劣らないドライバーテクニックを持っていた。
スタントマン・マイクとスタント・ウーマンとの壮絶なカー・チェイスが始まった![]()
タランティーノ好みのbitchが8人出てきます。
最初に標的となる3人は、シドニー・タミーア・ポアチエ(シドニー・ポワチエの娘)、ヴァネッサ・フェルリト(『スパイダーマン2』)、ジョーダン・ラッド(『キャビン・フィーバー』でドロドロに溶けた人)。加えて、ロドリゲス作品のヒロインを務めたローズ・マッゴーワンも出てくる。
スタントマン・マイクにはカート・ラッセル。
耐死使用の車でbitchを殺す事に快感を覚える変態男の役だが、彼はどちらかと言うとトラックの方が似合ってますよね。
最初はスタローンやミッキー・ロークに話が行っていたようです。
冷徹な殺人鬼と言うより、凄く人間臭くて間の抜けた殺人鬼なんですよね。カート・ラッセル本人もこの役に大ノリだったらしく、自ら加えたアイデアも盛り込んであるそうです(なかなか出ないクシャミなど)。
後半にもbitchが4人出てくるワケですが、こちらは前半と違って大人しくヤラれるたまじゃなかったから、マイクも大泣きなワケですよ(笑)
後半はゾーイ・ベル(『キル・ビル』でのユマのスタトマン)、ロザリオ・ドーソン(『シン・シティ』)、トレイシー・トムズ(『RENT』)、メアリー・E・ウィンステッド(『ファイナル・デッドコースター』)の4人が標的になるのですが、ゾーイ・ベルは本人役でそのまんまスタントマンとして出ています。
トレイシーが演じるキムとゾーイは、車が大好きな超逞しい女性。
憧れのダッジ・チャレンジャーに試乗する事になったのだが、ゾーイがダッジで興奮してる最中にデス・プルーフが顔を現すワケです。
女性達の意味の無いお喋りが延々と続きます。
タランティーノには意味があるようですが、見てる私には無意味でテンポが遅くイライラ。
更に、特に前半の標的にされる女性達は生足を強調するかのような厭らしいアングルが続き、タランティーノの趣味全開と言った感じです。監督本人もバーの店長役で出演していて、バーに置いてあるジューク・ボックスは私物との事。
この映画で使われる曲は、いろんな映画から摘んできたものが結構あり、芸が細かいです。
スラッシャーとはかけ離れたような展開にも思えますが、丁寧になぞりつつスラッシャーでは有り得ない展開に持っていったり、誰も考え付かないようなストーリーに驚きです。
最初に数人の犠牲者が出たあと、スラッシャーではたいてい追い詰められた女性が反撃に出ます。
この反撃が見ててスカッとするんですよ![]()
ホラーに出てくるヒロインって結構見ててイライラさせられるのだれど、この映画の後半に出てくる女性達は殺人鬼が泣きを見せるくらいの猛者![]()
カー・チェイスのシーンではCGを使っておらず、ゾーイが本当にスタントを見せてくれます。凄くハラハラしますよ![]()
この『デス・プルーフ』、タランティーノ監督ファンなら間違いなく興奮できると思います。細かい芸、奇抜な展開、迫力満載のカー・チェイス。予算のほとんどは車に使われたであろうこの作品、大スクリーンで見た方がより一層楽しめるとは思います。
『キル・ビル』のスタントで出たゾーイ・ベル、他にも『キル・ビル』に出ていた女性がbitchの中に、もう1人います。気が付くと面白いかもしれません![]()
更に、この映画を見る前に『バニシング・ポイント』と『ダーティ・メリー/クレイジー・ラリー』を見ておいた方が、もっと面白くなるかもしれませんよ。
お奨めの1本です![]()
以下はネタバレを含んでますので、読まれる方のみ反転してお願いします↓
ラストは女3人の鉄拳にノされるカート・ラッセル。
本当、スラッシャーには有り得ない展開ですよ。ボッコボコですから!!
で、ボコボコにやっつけたと思ったら一旦「END」とかで終わってしまうんです。
昔のカンフー映画でよくありましたよね。
復讐して、相手倒したと思ったら即効で「終劇」とかで画面が縦長になっちゃうの。
この映画、最初から最後までお遊び心たっぷりの、タランティーノ監督の趣味の世界です。しかし、趣味をここまで表現できるのは間違いなく才能だと思いました。
レンタルショップで働く映画オタクは、凄い才能の持ち主だった・・・面白いですよね![]()
07/09/03
