『ヒストリー・オブ・バイオレンス』
に続き、クローネンバーグ監督作です。
一言で言えば「重厚なロシアン・マフィア映画」というところでしょうか。派手なドンパチはありませんが、静かな緊迫感と主演のヴィゴ・モーテンセンが光ってるところなんて『ヒストリー・オブ・バイオレンス』
にとても毛色が似ていると思います。
看護士のアンナ(ナオミ・ワッツ)が働く病院に1人の妊婦が運び込まれてくる。
妊婦は14歳の少女。結局命を落とすが赤ちゃんは助かる。
赤ちゃんの引き取り先を見つけようと思ったアンナは、亡くなった少女の身元を探すために少女が唯一残したノートを自宅に持ち帰る。
ところがノートに書かれてる文章はロシア語で、読む事のできないアンナはノートに挟まれていた1枚のロシアン・レストランの紙を頼りに「トランスシベリアン」と言う店を訪ねる。
そこの店主に少女の事を尋ねてみるが、実は店主はロシアン・マフィアのボスだった。そして物腰柔らかくノートを渡すようアンナに言うのだった。
主演のヴィゴはマフィアの運転手、そしてボスの息子であるキリルの子守役。このキリル役はヴァンサン・カッセルなのですが、いつものようにイカレた男の役でした。
だいたい二代目と言うものはバカボンな感じが多いですが、キリルも例に漏れずマフィアのボスを継ぐ器は持っていません。
キリルはニコライ(ヴィゴ)に絶対的な信頼を寄せている反面、目の前でSEXを強要するなど異常なまでに支配しようとするんです。
酷い侮辱を受けながらも、ニコライは全くキリルに反抗しようとはしない・・。「何でキレないの!?」と若干イラッとさせられましたが、後々になって理由は分かります。
分娩後に亡くなった少女とマフィアの関係も、徐々に明らかになってきます。それに巻き込まれていくアンナ一家も、当然目を付けられるワケなので緊張感は途絶えません。
ヴィゴが演じるニコライは、運転手とは言えどもマフィアの一員なので殺しに手を染めたりするワケですよ。
ところが、そんな恐ろしいマフィアと分かっていながらも時折見せるニコライの優しさにアンナはメロメロに・・・。ついでに私もメロメロに・・・![]()
この映画最大の目玉と言うか山場は、大衆浴場での襲撃シーンでしょうか。
ニコライがスッポンポンで1人いる中、2人の刺客がナイフを手に襲い掛かります(銃の方が早いのにねぇ~)。
これがもしスティーブン・セガールだったら、無傷のまま相手の骨をボキボキッと折って終わりですよ。
画的に地味ではありますが、そこはリアリティと言う名の演出で非常に迫力のあるシーンでした。
ロシアン・マフィアにはタトゥーが不可欠らしく、ヴィゴの全身にも数十個のタトゥーがカッコ良く刻まれていました。
一応オチのようなものは用意されていましたが、『ヒストリー・オブ・バイオレンス』
同様「そこで終わり!?」と言う感じで、意味深なまま幕を閉じてしまいました。
いやぁ、面白かったですよ。
凍った死体の指をチョン切るシーンなどありましたが、今までのクローネンバーグ作とは打って変わったものでした。とにかくヴィゴ・モーテンセンがカッコいいです♪50才とは到底思えません!
お奨めします![]()
08/07/04
