クローネンバーグって苦手なんです。
彼の作品を初めて見たのは『ビデオドローム』で、友達が「何かめっちゃ気持ち悪いビデオあるねんけど」と言うので、興味津々で借りて見てみました。
本当に気持ち悪かった。当時私は中学生だったので、作品の内容などは全く理解できなく気持ち悪さだけが頭に残りました。
クローネンバーグを最後に見たのは『イグジステンズ』
私の中で、クローネンバーグはゲテモノ監督と言う印象が決定的になった。
田舎町でダイナーを経営しているトムは、仕事も真面目で家でも良き夫良き父。
子供2人と愛する妻、何の問題もなく静かに暮らしていたトムだったが、ダイナーに突然強盗が押し入り、咄嗟に強盗の銃を奪い撃ち殺す。
町の英雄と化したトムだったが、連日連夜の報道のお陰でテレビも新聞もトムを飾る。そして、それを見たフィラデルフィアのギャングが「お前の本当の正体は人殺しだ。」とやって来る。
トムを演じるのはヴィゴ・モーテンセン。
ギャング役にはエド・ハリス。トムに向かって「お前の名前はジョーイだ。」と言い張りますが、トムは「人間違いをしている。」と同じく言い張ります。
さてさて、どう転がるのか?・・と言った感じです。
ジャケに写るヴィゴがカッコ良すぎたのでこの映画を見たワケですが、はて??本当にクローネンバーグ監督作??
緊迫感を静かに撒き散らしていくような展開で、アクション映画特有の派手な演出はない。メリハリもない。
クローネンバーグが「そろそろワシも落ち着かなあかん思てな。」と思ったのかどうなのか、落ち着いた作品でした。
以下はネタバレを含みますので、読まれる方だけ反転してご覧下さい↓
田舎町で質素に暮らす1人の男が、実は暗い過去をもった人物だった・・と言うのは物語的に大して珍しいものでもないですが、飽きずに最後まで見れたのはヴィゴの魅力でしょうか。
最後まで見た後、そう言えばあのシーンあのセリフ・・と、思い返すと面白いところもありました。
トムが最初にダイナーへ行った時、厨房の男が過去の女との修羅場話をして盛り上がるところがあるんですが、「俺もっと凄いで!」と実は心の中で(ジョーイが)思ってたのでは・・(笑)
エド・ハリスがさすがの存在感なのですが、25才ほど若かったならエド・ハリスがトムを演じててもハマってそうだと思いました。
でもですね、トムは昔凄いワルだったと言う事でしたが、ギャングの猛者相手に凄すぎやしませんかね?元格闘家並みだわよ。
冒頭は悪党2人の長回しシーンで始まりますが、「この2人何かある!」と言わんばかりの出し方ですよ。あんまり意味が無いように感じたので、ここは何か違った画が欲しかったです。
あんなに大きな子供がいるのに凄いアツアツ夫婦。トムも文句なしの夫&父親ですよ。
確かに恐ろしい過去の持ち主だったと知ればショックもショックでしょうが、あ~・・・そんな事で崩れ去ってしまうの~・・と少し残念。
ラストの食卓のシーン。ヴィゴのあの眼差しからは、暴力の欠片も見当たらない。奥さん、お願いだから「おかえりなさい。」と言ったげて!
08/07/02
