ホラー好きを謳う上でこの作品をまだ見ていないとなると、ハッキリ言って「モグリだ!」と言ってしまいたいところですが、百歩譲って「損してますよ」とは言いたい。
とにかく、世にあふれるスラッシャー映画のバイブルとも呼ばれるこの作品、若きトビー・フーパーがデビュー作にして名作を撮ってしまった事1つを挙げても、紛れもなくホラーの奇跡なのだ。


旅行中の若者5人がテキサス州を通りかかった際、偶然立ち寄った不気味な一軒家で狂気に満ちた殺人一家に出会ってしまった事から、若者達に不幸が降りかかる。



なんとストーリーはこんなに単純。
そもそもこれは、テキサスで本当にあった電動ノコギリ大虐殺事件の犯人であるエド・ゲインがモデルとされており(レザーフェイス)、映画冒頭にもテロップで経緯が流れる。 そしてカメラワークも狙ってなのか予算不足からなのか、ドキュメント風になっている。


ホラー中の傑作と言われるこの映画は、殺人シーンやグロいシーンなどはほとんど無くそのものズバリを見せない。


なのになぜ怖いか。


テキサスのうだるような暑さの中、体中に纏わり付く汗、そして熱風で吹き上げられた砂塵が乾いた口の中へズカズカと入り込んでくる。
ねっとりとした生理的嫌悪感が、そこにはある。


淡々と若者達が犠牲になる中、悪趣味の極致とも言える人骨等で作り上げられた家具装飾や、殺人一家の家庭内部の背景や気持ち悪さをクドいくらい出してくる。
サントラは一切なく、チェーンソーの音やヒロインであるマリリン・バーンズの絶叫のみで恐怖を奏でているのだが、恐怖を演出するはずのサントラが恋しくなるほど心細さを感じる。


ところが、レザーフェイス登場のシーンではなぜか爆笑してしまった。あの素早いコミカルな動きに可笑しさを感じてしまうんですよね(;^ω^)
しかもドン臭いし!

一旦は廃盤となってしまったこれのDVDは、レアものとして取引されていたのだが、2007年めでたい事に再販になったので嬉しい事この上ありません。
名作ゆえにこの映画のファンは多いですが、監督の意に反して『悪魔のいけにえ2』の評判は悪く、無かった事にしてしまっている人も少なくないようです。
しかし私は、デニス・ホッパーの頑張りもあってか嫌いではありません(笑)


ラスト、ドーーン!と突き放されたような終わり方、監督のセンスが成せる技か壊れかかった頭の出した演出か、傑作と言われる見事な締め括りだったと思います。


でも、あのトレーラーの運ちゃんはその後大丈夫だったのかしらね?


1つ、再販は嬉しい事ですが、ビデオで見た荒い映像がこの映画の出来栄えをパワーアップさせていたのに対し、キレイに画像処理されてあったのが少しもったいないかな・・とは思いました。

ホラーが好きでまだ未見の方、ぜひどうぞ♪


↓何となくモデル風のポージングw


MebiusRing-THE TEXAS CHAINSAW MASSACRE