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ある日、建設工事の影響か水道が出にくいと苦情が出たので森と行ってみた。その家には兵頭と言う姓の50歳に近い夫人が一人で住んでおり、亡くなったと思える娘の写真が部屋の鴨居の上に飾ってある。娘が着ている学生服から中学生当時の写真だろう。

その後、何度かその兵頭宅に仕事で行き、話をしたりしている内、離婚しての一人暮らしが分かるような気がしただけでなく、ふっとこの母親がこんな性格だから娘が死んだ、否自殺させたのではないかと思うような気配を覚えた。

このイノシシ村の人達は総じて話好きだ。しかし、都会の人の様な芸能界の話など無い。土地の人達の噂やあれこれ取り留めもない話がほとんどだ。簡単に言えば女性の井戸端会議のような内容だ。

「田舎の人に悪い人はおらんろう、空気もおいしいし、みんなのんびりしよるろ」と人なつこく、里村の事を聞いてきたり、絶え間なく会話し続けてくる人が3人いる。実は、それは口には出さないが何か自分の欲求をきいてもらう事を催促しているらしくその欲求を受け入れてもらえないと分かると付き合いはしてあげないと言った素振りになる事をその後里村は気づいた。