1975(昭和50)年3月10日、山陽新幹線博多開業に伴うダイヤ改正で「日本海」は20系から14系客車に置換えられましたが、早岐客貨車区の14系による「あかつき」との超広域共通運用が組まれました。
九州の車両が東北を走るとは今では想像もつきませんが、高価なブルトレ用寝台車を有効に使用する意図があったのでしょう。
しかし余りに広域過ぎて、「日本海」が雪で遅れたりすると「『あかつき』は雪のため遅れます」という、関西・九州の方には理解不能な放送が流れたこともあったと聞きます。
冬は九州もそれなりに寒いですが、春先などは九州と東北では寒暖差もあり、走らせる方は大変だったと思います。
4001レ 寝台特急 日本海(下り)2号 14系客車13連[門ハイ]
1978.7 北余目-砂越
1978.7 北余目-砂越
超広域共通運用は3年で解消しましたが、全国一元の国鉄ならではの施策であり、「日本海」も廃止された今ではすっかり昔話になりました。
日本海縦貫線も分断され、このような列車が走ることはもう無いでしょう。
早岐客貨車区もずっと前に廃止され、現在は早岐駅に隣接して長崎車両センターが移転しましたが、「さくら」「あかつき」の佐世保編成は15年以上前に廃止され、もはやブルートレインが来ることはありません。
時刻表、そして車両運用などダイヤにまつわるあらゆる要素が面白い時代でした。
早岐客貨車区 門201運用(抜粋)
44レ 寝台特急 あかつき2号 佐世保18:38→大阪6:32
4001レ 寝台特急 日本海(下り)2号 大阪20:10→青森11:45
4002レ 寝台特急 日本海(上り)1号 青森16:25→大阪7:49
41レ 寝台特急 あかつき1号 大阪19:10→長崎7:33
早岐客貨車区 門附201運用(抜粋)
4044レ 寝台特急 明星(上り)3号 熊本18:20→大阪6:32 ※筑豊本線経由、門司-大阪間あかつき2号に併結
4001レ 寝台特急 日本海(下り)2号 大阪20:10→青森11:45
4002レ 寝台特急 日本海(上り)1号 青森16:25→大阪7:49
41レ~4041レ 寝台特急 あかつき1号 大阪19:10→佐世保7:13
データは国鉄監修 交通公社の時刻表 1978(昭和53)年8月号、時刻表大研究(鉄道友の会監修、広済堂出版 1977)を参照しました。