姫貴さゆり2 | 赫いわななき〜地獄編〜

赫いわななき〜地獄編〜

80年代歌謡曲をご紹介しているHP『赫いわななき』、こちらでは比較的最近リリースされた演歌・歌謡曲から強力チューンをご紹介していこうと思います。
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「熱海恋情」姫貴さゆり
作詩/吉祥寺まどか 作曲/笛吹桃香 編曲/松下英樹
C/W 「Amore」
作詩曲/琉紫音 編曲/西込加久見
CrystalHeart CHDW-1001 2018.07.25.

前回ご紹介したライブレポでジラジラ焦らすような書き方をしてしまいましたが、この曲についてはどうしてもちゃんとした形でご紹介せねばと思いまして…というわけで、姫貴さゆりさんの新曲「熱海恋情」の登場です!!

昨年末の『おてんば姫貴城』最終回の打ち上げでさゆりさんとお話しした時、「来年(2018年)は歌手活動をメインにやっていきたい」というようなお話をお聞きしてそれ以来、“新曲リリースされたら応援するべし!” とココロに決めてたんですよ。
なのでリリース告知を初めて見た時は飛び上がって喜びましたぜ✌️✌️しかもディスクユニオンの演歌・歌謡曲専門レーベル『Crystal Heart Records』の第一弾シングル!しかも監修協力にあの千葉山貴公さん!!こりゃー気合い入るでしょ。
裏ジャケ。撮影地は歌詩の中にもある熱海の『起雲閣』、いにしえには “熱海の三大別荘” の一つと称された由緒ある観光スポットだそうです。さゆりさんのお着物姿にもピッタリ。ちなみに、CD帯には飛鳥瑠璃さんの短歌がしたためられております。

以前にもブログでチラッと触れましたが、実はリリース前にこの新曲の推薦文を書かせて頂いておりまして(さゆりさんのブログでご紹介して頂きました)せっかくですのでここでも載せておきましょう。

演歌界に、“ずぶ濡れ”の女がやって来たー。


媚薬混じりの霧にまみれて来たかのようなその女。倫ならぬ恋に疲れた軀を熱海の街並みに匿しながら、それでも想いはジャカランダの如くしたたり溢れて

その女、姫貴さゆり。彼女の新境地となる新曲「熱海恋情」は、昭和歌謡で培った独特のしなやかさを武器に娟歌と歌謡曲を濃密に熔かし醸み出した意欲作だ。ファン人気曲のC/Wとともに、蕩ける宝味をご堪能あれ。


ジャカランダの花、熱海でも咲くそうなんですって。したたり落ちるような熱い花…ね、さゆりさんにピッタリでしょ(あ、曲中に出てくる花は梅の花と熱海桜ですけどゞゞ

上記の推薦文は文字制限があったんでイメージ的な表現に留めてますが、こちらでは詳しく、ジットリとご紹介しますわよ。


まずタイトル曲の「熱海恋情」、最初に聴いたときは正直面喰らいました。昭和歌謡は歌い慣れてるさゆりさんですが、まさか演歌路線で来るとは。


いやちょっと待って。確かに王道の演歌路線だし熱海の新たなご当地ソングとしても申し分ない出来なんですが、演歌と云うにはちょっと毛色が違うような…それもあって紹介文では『娟歌』と表現してみたんですが、演歌よりも娟(しな)やかで潤やかな、濃厚歌謡曲といった雰囲気。


詩も曲もその辺は充分意識されてるようですよ。作詩の吉祥寺まどかさんって存じ上げない方なんですが、ふと文学的な香りも感じつつご当地感・耐え忍ぶ一途な想いもきちんと盛り込み、それでも溢れてしょうがないオンナの性をキチンと表現されてますね。1番から3番まで、曲の最後が必ずポジティブシンキングになってるのが普通の演歌で終わらせないって感じが出てて良いです。

曲はあくまで淡々と流れながら、時折オシャレなメロを匂わせてくるのが素敵。サビラストに来る三連が効いてますねぇ。

作曲は笛吹桃香さん。ペンネームを使用されてますが、云うまでもなくあの「笛吹もも香」さんですね。

ご自身にとって初の作曲作品だそうですが、なかなかの出来映えではないでしょうか?もも香さんについてはまた別途ご紹介する予定です。


恐らく全体的なイメージはテレサ・テンとかかなぁ?テレサの曲、ジャンルとしては演歌にカテゴライズされてますが実はド真ん中の歌謡曲だしね。アレンジもそこを意識してる気がするんですが、ちょっとカラオケ需要を考えた展開なのが唯一惜しいかな。


ここは賛否両論あるとこで、カラオケで歌ってもらえる曲じゃないとヒットには繋がらないっていう考えがあって、だからなるべく一般の方が歌いやすいように仕上げちゃうって傾向があるんすよね。

この曲にしてももっとシンコペーション使ってさゆりさんのリズム感を活かした展開にすると彼女のプレミアムテキーラ並みに高濃度なお色気を演出できそうなんだけど、そうなるとカラオケ愛好者が歌いづらくなるのも解るし…悩ましいトコです。


そんな悩ましさをカバーするかのように、この曲には何とフリがついておりますのよ!

前回ご紹介したライブより。ホントはもっと沢山振付あったんだけど、しょっぱなの歌唱だったのでアタフタして撮れませんでした…😢

そういえば芳恵ちゃんのテレサ路線曲「待ちくたびれてヨコハマ」だって腰を大回転グラインド(笑)させる振付があったし、“魅せる” 部分を多分に意識してくれるさゆりさんならではの演出だろうなぁ。

とここで発見。この曲はまさに芳恵路線(アイドルでもみゆきカバーでもなく歌謡曲歌ってる時の。「途中下車」とか「冬の孔雀」とか)、もしくは安倍律子〜里葎子サマの再来だわ!ギミックのない叙情的な歌謡曲メロを蜜にまみれたように歌うアノ感じ。仕掛けなんかなくてもこんなに濡れた表現が出来る人ってそうそういません。

そう考えればストンと納得、歌謡曲シンガー・姫貴さゆりさんの新しい『顔』として相応しい路線と云えるでしょう。


何しろ一般受けする部分と、さゆりさんならではの魅力を併せ持った新機軸の『娟歌』路線。これから歌い込んで行くことでどのように進化していくかも見どころです。



さて、「熱海恋情」はタイトル曲として色んなものを含んでの作品となっておりますが、C/Wはもう『姫貴さゆりワールド』。そうです、念願だったあの名曲、「Amore」がとうとうCD化ですっ!!


いやー感激!そして昇天!!

ファンの間ではもうお馴染みの曲ですしオレも今まで何度となくこのブログで絶賛してきましたので詳しくは書きませんが、何しろ灼え狂うラテン歌謡の名作です(断言)。普通ならタイトル曲に合わせてC/Wも演歌寄りの作品を配置しそうなところですが、この「Amore」を収録してくれただけで嬉しい…ディスクユニオンさん、そしてさゆりさんに感謝。


先日のライブでも、ラストに配置してくれたこの「Amore」で蕩けるように盛り上がりました!



さゆりさん、そんな見つめられたらオレ…😍


編曲の西込加久見さん、聞いたことある名前…と思ったら、80年代後期のアイドル楽曲のアレンジも手懸けてる方ですね。
小倉博和さんと組んでる(もしくはAB面を担当)のが多いなぁと思ったら、82年に「クールで熱い君!」でデビューしたSTEPってデュオのバックバンドでご一緒だったそうで。だから息の合ったコンビでこんな名曲が作れるのね。
智鈴華「猫になりたい夜」。時代を先走る名作です。A面もグレイトよ!

…また脱線しちゃったんですが(苦笑、ま、よくある事なんでご容赦を)、ギター以外は打ち込みのはずなのにこんなに煽情的なアレンジが、さゆりさんのフィジカルでセンシュアルな歌唱に纏わりつくように輝かせてると思うのですよ。「熱海恋情」が “姫貴さゆりの新機軸” ならこちらは『姫貴さゆりの本質』とも云える、奥底からうねりが押し寄せてくるような作品。歌謡曲好きの方なら是非一度体験して頂きたいスゲェ曲よ。


何しろリリースしたてのシングルですから勝負はまだまだこれからなんですが、先日ディスクユニオン・昭和歌謡館で行われたフラゲイベントではCD完売したそうですし(行きたかった…orz)、さゆりさんの新曲がヒットするよう、こちらもガンガン宣伝して参りますよ!!

告知フライヤー。ちょっと淫靡なこの雰囲気、タマリませんっ❤️❤️❤️