三東ルシア姐さん。っていきなり姐さん呼ばわりもどうかと思うけど、ここまで極め続けてらっしゃる方にはリスペクトせざるを得ませんもの。今回はトバしますよ。
ルシア姐さんについては厳密にはHPの方で書くべき方のような気もしますが、アイドル時代については本で書いてしまったので、
1989年引退、その後2003年に復帰されたんですが、その頃主演されてた映画『肉屋と義母』見逃しちゃったんだよなぁ。出られてたのは知ってたんですが、この手の映画は上映期間が短いもんで。
で、同じ頃にリリースされてたこのシングルもかなり後になってからその存在を知ったんです。
しっかし何という素敵なジャケなんでしょ、デビューの頃と寸分違わないキュートさだわ。しかも、歌唱も変わってない!これは本当に凄いです。
「危険な春」でのあの計算尽くな歌いっぷり、アレはワザとじゃない、彼女の本質にグジュグジュと流れ続けているモノだったのね…天晴。上目遣いで半開きの唇に人差し指を当てて小悪魔悪徳娼婦のようなイノセントスマイル、これを歌唱で表現できるんスよ!しかも30年以上も!!
「砂漠のバラ」は完熟エスニック歌謡で中近東ノリ。「コンドルは飛んでいく」とかも混ざってますが、どっちかっつーと顔を隠したオンナが闇市で阿婆擦れてるといった方が正しいでしょう。砂漠なのに何故こんなにぬめるのか?軋む鳴り砂入りのローションなのか?
さらにヤバいのがC/Wの「真夏の夢」でして、もはやアンニュイとかそーゆうんではなく瞑想しながら自瀆してゆくようなメディテーティブ淫蕩歌謡となっております。安倍里葎子姐さんの「瞬間の砂」(「アンダー・ザ・タブー」C/W)と双璧!
これだけの名カップリング、なかなかないわよ。
サビメロ、山内恵美子の「ザ・プライベート」(「凍土シティー」B面)とほぼ同じなんだけどどっちも闇の中から三白眼と招く手だけが見えてる感じ(モチロンふらふらと誘い込まれるわね)。こういうフレーズはどんだけ使い回されてもいい、そうイイのよっ!
やはりルシア姐さん、素晴らしいわ…と余韻に浸ってる場合ではありません。この後のシングルがさらにグレイト!
作詩/タカオ・カンベ 作曲/G.Fusco 編曲/松井タツオ
C/W1 「愛のかたち」
作詩/白鳥瑞穂 作曲/タカノシンゴ 編曲/松井タツオ
C/W2 「さすらいのギター」
作詩/千家和也 作曲/J.リーブ・カインド 編曲/庄司龍
NC NCCP-91121 2009.11.21.
一瞬ご自身のセカンドSg「太陽の季節」をセルフリメイクしたのかと思いましたがこちらは別のカヴァー。当然ミケランジェロ・アントニオーニ監督映画『太陽はひとりぼっち』の主題歌ですよ。じゃもしかして「砂漠のバラ」は『赤い砂漠』と関連してるのかしら、深いわ…
「太陽はひとりぼっち」、オリジナルは「砂に消えた涙」のミーナが歌ってましたが日本語盤は園まり様も歌ってましたね。歌詩はしっかりタカオ・カンベ=渡舟人=ホセ柴崎氏のものが使われておりますよ。このカヴァーはザ・ベンチャーズの影響が強そうですが、こういうイタリアン・ツィストものって当然大好き!です。
いや、楽曲の出来まで含めるとやっぱ映画の影響が大きいかなぁ。頽廃と堕蝕と墟構…緩くて戻れようのないデカダンに苛まれながらそこに進んで身を委ねるような、まさに俺の求める世界が拡がっております。焦燥的でありつつ、常に鎖に繋がれている事への諦念の中で踠き毟る事すら忘れた風景を絵空事のように見事に表現してますね。
ルシア姐さんもソコは重々承知、イカないままイキ続ける歌唱を徹底されてらっしゃいます。もうホント、デビュー時から一切変わらないじゃないのサ!さらに年季を重ねた豊潤さが上乗せされ、多分シロウトがいきなり聴いたらゲホゲホ咽せて吐き出すんじゃないかとちょっと心配なくらいの名唱です(笑)。
小山ルミ盤とは一部歌詩が違うんですわ。ここだけ入江ゆみver.(未聴)を採用したのか?てかコレ云わない方がいいの?(ちなみに「太陽はひとりぼっち」もほんの少し違うんだけど…)
さらにオリジナル?と思われる「愛のかたち」って曲がやたらヌルみまくりの曲でタマンナイっ!作曲のタカノシンゴさんって姫貴さゆりさんの参加したユニット・Zipper'sの曲とかあと渡部まいこさんの曲も作ってる人なのね。もうダメよールシア姐さんをこんなに穢しちゃ(笑)つーかルシア姐さん自ら進んで穢れにイッてますけど(あら『生徒の眼の前で』と一緒じゃないの)。いやマジ素敵な作品です。
「さすらいのギター」以外のアレンジは松井タツオ先生。やっぱりアナタなのね(笑)。チープにモゾモゾ昇天してゆくバンドアレンジ、意図的でしょ。マニア向けにしか考えてないでしょそうでしょ。
…正解(笑)もうメロメロなの。何かあるとついこのシングル聴いちゃうの。で、ズンチャンテケテンテケテンってイントロ聴いて濡れるの爆。もうしょうがないんだもの、よくわかんないの。
…ちょっと後半(いや全編か?)支離滅裂な文章になってしまいました。利き指でクチュクチュ掻き穿るような作品なんですもの、乱れるのも必然かと思いまして(淫笑)。其れくらいの威力を放ち続けるルシア姐さんはこの後もシングルリリースあり。まだ未聴の曲もあるんですが、今も現役でステージをこなしてらっしゃるようなのでコレは拝見しなければと思っております。何しろ喰われないように注意しなければ(笑)、愉しみだわっ!