絵 ようふゆかり
~とても大切だったもの~
主人と子どもに よく似合う
新しい季節の衣服など
あれこれ もとめたその後で
少しぐらいは自分にも
やさしくしてあげたくなって
バーゲンセールのワゴンの中から
運命の出逢いのように
それを見つけた
それは ぴらりと付けられた
値札に並ぶ数字よりは
遙かにずっと贅沢で
ひらくと 光沢のある
パールホワイトの中で
赤、紫、ローズと
鮮やかな花を咲かせた
けれど少しも仰々しくなく
細い金の柄の先が
フック船長の義手のごとく
見事なカーブを描いており
このうえなく洒落ていた
地味好みの私が
雨の日だけ華やぐので
水溜まりをひらりと跳び越え
雨は嫌いでなくなった
お気に入りの
それと共に出かけるとき
少女の日の心が躍る
玄関を出て
色とりどりの花を咲かせて
背筋を伸ばして
歩いたものです
或る日
ほんの僅かな気の緩みから
そんな一等お気に入りを
とうとう失う羽目になった
昼下がり
友人宅のお茶会には
賑やかに人が集うので
外おもての階下に
それを立て掛け
私は彼女のドアを叩いた
とりとめもない
世間話に終始して
軽く別れを告げた後
それの不在を知ったのだった
あの傘をひらくとき
現在いま持ち主となった人は
心も ひらけられるのだろか
雨降りなのに晴れやかな
弾んだ心になれるのだろか
雨の日
花々の配色を想い出すたび
胸に覚える微かな痛みを
鎮める術すべは見つからない
1996年9月号 詩とメルヘン掲載
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*
前回の記事の終わりの方で記憶違いがあり
一部修正しました
何しろ30年前のこと、お赦しを~
(o*。_。)oペコッ
1996年6月号(5月1日発行)で
おりたたみ画廊に掲載され
俄然、投稿熱に火が付き出し...
おりたたみ画廊、自由詩、特別企画ペイネの詩と
1作品ずつを応募した5月も末のことです
社宅のメイルボックスに届いた知らせは
夢にまで見た自由詩の掲載通知でした![]()
4月に出した作品が採用されたのでした
たまるかーーー![]()
![]()
しかも稿料まで頂けるとは!
因みに当時の稿料は8千円でした
これは利の薄い出版物としては
破格の計らいだったように思います
そして
数日後、電話のベルが鳴り
「もしもし 詩とメルヘンですが
(掲載予定の)あなたの詩の中で
『始終』とあるの、『終始』に変えてもいいですか?」
と男の人の声
慌てて修正をお願いして
厚かましくも後出しで
気になってた2行程の修正をお願いしたところ、
「ああ、いいですよー」と快く承諾して頂きました
電話を切った後、男性の社員さんだったことに
少し違和感を覚えたのですが...
『詩とメルヘン』は上質の紙が用いられ
その殆どがカラーページという贅沢な雑誌
商業主義から離れて採算が合わず
やなせ先生は ほぼ無償で
コスト削減の為、詩の選出から編集、
表紙の絵、イラストやらレポ、インタビュー、
発行まで全て おひとりでされていると
後に知りました
( ゚д゚)ハッ!
あの電話の主は やなせ先生ご自身![]()
そう信じたい私がいますーー
(ノ´∀`*)
さて、自由詩掲載の醍醐味は
プロのイラストレーターさんに
絵を付けてもらえることです
誰に付けてもらえるかは発売当日まで判らず
ワクワクしながら頁を開くと
冒頭の作品『とても大切だったもの』に描かれた
絵の美しさに うっとり![]()
実際の傘の配色とは少し異なるのですが
雨の日なのに華やかになれる私の想いと
傘を失ったせつなさを淡く滲ませて
詩とメルヘン出身でプロのイラストレーターであり
絵本作家でもある、ようふゆかりさん改め
ようふゆかさんに描いて頂きました
最新作はコチラ![]()
また、巻頭の目次の欄には
やなせ先生からコメントを頂きました
失ったものは一本の傘、それとも心。
最後の二行がいいよね。この痛みについては
身に覚えがある人が多いはず。
ぼくもそのひとり。
大切な傘を失った代わりに
この冊子は 私にとって
『とても大切なもの』になりました
尚、軽井沢ペイネ美術館10周年記念の
ペイネの詩コンテストも同じ9月号での発表で
『無邪気なはかりごと』は
詩の掲載は叶わず、選外佳作として
作品名と氏名のみの掲載でしたが
ペイネの絵のタイトルと
作品の雰囲気を壊さぬよう
ラブリーなラブリーな詩となりました💗
あなたのセーター、長袖にする?それとも袖なし?
レイモン・ペイネ
~無邪気なはかりごと~
わたしにとって
大切なことが
あなたにとっては
たわいもないことなので
困り果てた挙句の
一計
エチュードの調べ
奏でる手を
八小節だけ憩やすめて
私の声に
耳傾けて
モチーフに
音符をあしらったセーターなら
知らんぷりはできないはず
ね、
わたしは
いつでも
あなたと
同じ空間を漂って
"ふたり"を感じていたいだけなの
こんなふうに 私の第2期ポエムブームは
詩とメルヘンと共にありました
けれど 心の支えであった詩とメルヘンとも
やがてお別れの日が やってくるのでした
To be continued...
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