若いころは日本山岳会の会員たちが定宿にしていた長野県のロッジにスキーをするために頻繁に泊まった。オーナーの方針で、同宿の宿泊者に振る舞えばアルコール飲料の持ち込み料金は不要だった。家内と私のロッククライミングの先生も日本山岳会の会員だったので、一緒に行ったことがあった。夜、酒を飲みながら同宿の人たちと楽しい会話をしていた。ヨーロッパに住んでいた人から、ヨーロッパアルプスのスキー場では雪崩に追かけられながらスキーで滑ることがあると聴いた。転倒したり雪崩に追い付かれると命にかかわる。雑談の中で得られた結論は、「スキーが上達するには1cmでも長く滑る」ということだった。スキーの技量は総滑走距離に比例するという考え方だ。そのためには速いスピードで長時間滑って少しでも滑走距離を伸ばすしかない。私はゲレンデで立ち止まることを極力避けて、リフト1本分の途中で立ち止まるのは邪道だと思っていたから、この結論に完全に同意できた。
念のために申し添えるが、闇雲に滑っていたのではなく、スキースクールでそれなりに教えてもらっていた。