絶対的貧困は「衣食住」のいずれか、もしくは全てを満たすことができない貧困状態だ。30年近く前に読んだ日経新聞の記事を覚えている。贅沢さえしなければ生活保護費だけで十分な生活ができるという主旨の記事だった。記事を読んで大いに共感できた。周囲の人たちとの比較で貧困だと感じるのは相対的貧困だ。
日経新聞の記事だから、資本主義経済を批判する論調では無かったが、私は資本主義経済の構造的な問題だと理解している。資本主義経済では生産された商品(財物や用益)が全て消費されるのが理想だ。上手く行かないと投げ売りや廃棄というロスが生じる。
しかし、労働界全体では生産した価値よりも賃金の方が下回る。資本家の得られる所得を合算すれば生産した価値に等しくなるが、資本家は所得を全て消費しないし、消費する必要も無い。労働者の中の高額所得者と資本家は蓄財をするので、売れ残る商品が発生するのは必然だ。売れ残る商品を極力減らすために広告宣伝が行われる。周囲の人たちが持っている商品を持っていないと恥ずかしいような雰囲気を醸し出す。愚かな人たちは借金をしてまで商品を購入するが、そうで無い人たちは我慢する。その結果、貧困であると感じてしまう。「必要が無い物は買わない。」と自信を持って言い切れる人は残念ながら少ない。