2006年に出版された本だ。読み返してみた。大前氏の定義ではロウアーミドルクラスは年収300万円超600万円以下だ。「1億総中流」が崩壊して格差社会になったという文脈で書かれている。書いてあることの多くは説得力がある。ただ、ロウアークラスについては、現時点では大前氏の予測を超えて悲惨な状況になっている。
政治家や官僚の無策を批判するだけでなく、消費者の考え方や行動も批判している。曲がったキュウリや粒の大きさが揃っていないイチゴを敬遠するのは愚かだと書いてあった。牛肉を始めとする様々な商品に対するブランド志向も批判している。自分で食べたり使ってみて判断すべきだという主張は説得力がある。私は、北海道で育てられた肉牛が関西方面へ送られてブランド牛になることを実際に見聞きして知っている。日本人が珍重している「霜降り肉」はオーストラリアでは脂肪分過多を理由に不適切な食品とされているそうだ。
子どもの教育を外注(塾へ通わせる)することも批判している。夕食時に家族でテレビを観ているのは日本の家庭位だそうだ。親は子どもに学業以外のことも話を聴いたり語る必要があるというのは全く同感だ。
この本全体に流れている思想は、「自分で情報を集めて、良く考えて合理的に行動して欲しい。」というものだ。私の価値観と一致している。ロウアーミドルクラスであっても、賢い行動をすればそれなりに豊かな生活ができる、という結論には救いがある。