私が勤めていた企業は東北地方の一部と北海道勤務者に寒冷地手当を支給していた。私は北海道勤務時代に、一冬で40万円弱の支給を受けていた。断熱性能の高いマンションに住んでいたので、1ヶ月の灯油代は1万円に届かなかった。「丸儲け」という感覚だったと記憶している。寒冷地手当についての人事部の説明は、暖房費用だけでなく、冬用タイヤ、厚手のカーテン、衣料品等の諸々の費用に充当するため、だった。
東京出身で東北地方の勤務経験があった先輩の意見は、寒冷地で現地採用・現地勤務で転勤のない社員に寒冷地手当を支給するのはおかしい、というものだった。寒冷地の環境で育ってきて、その環境が当たり前だと思って暮らしている人たちに寒冷地手当を支給するのは説得力が無い、という意見は間違っていないと思った。その先輩は常識的な判断をする人で、決して差別的な見解を持っていなかった。
人事部内にも同様の意見を持つ人たちがいたはずだ。「差別的」と思われないように就業規則を変更することが困難だったのだと思う。