20年近く前のことだ。私が勤めていた企業の本社で、電話シ ステムの変更を検討していた。選択肢の一つに、電話端末をPHSにするという案があった。一般的なPHSを使うのではなく、固定電話回線と交換機を使いながら、構内の有線の内線を無線化するという案だった。社員はPHS端末を持っていて構内にいれば外線と内線の通話が可能になる。レイアウト変更をしても電話回線の変更費用が発生しないというメリットは大きい。
PHSにすると通話中に受話器を顎に挟んで両手を使うことができなくなる、という意見が出た。冗談の様な話だが、PHSを内蔵できる受話器型のアダプターを作れないかメーカーに打診した。メーカーから断られた。最新のPHS端末を古い形の受話器に内蔵することにメーカーは拒否反応を示したのだと思った。
最終的にPHS端末は管理職の中の希望者にのみ配備された。昼休みの食事中に電話を受けたくないという意見は当然のことだ。