信用取引では空売りと言って「売り」から市場取引に参加することができる。株式を例に取ると、株式を所有する他人から株式を借りて売却する。6ヶ月の期限内に買い戻して返却する必要がある。その間に株価が下がれば、高く売って安く買い戻すことができたので差額が利益になる(貸株料や売買手数料が別途掛かる)。逆に株価が上昇すると損失が発生する。現物取引の場合は株価は最大に下がっても0になるだけだから、購入代金が損失の上限になるが、空売りして株価が上昇した場合は損失の上限は無い(青天井)。
「所有していない物を借りて売るなんていかがわしい取引だ」、と考える人もいるが、そうではない。「買い」からしか参加できない市場の方が不健全だ。「買い」からしか参加できない市場への参加者は全て「値上がり」を期待する。従って、バブルを生みやすい。バブル経済期に地価が暴騰したことは知られている。市場では様々なニュースが飛び交うが、多くのニュースを「買い材料」にしてしまう。値上がりを予測する人もいれば、値下がりを予測する人がいて当然だ。空売りができない現物市場では、値下がりを予測する人は、値下がりを待ってから買うという消極的な投資しかできない。