認知症の高齢者が駅で電車と衝突した。本人は死亡した。JR東海は、振替輸送等に要した費用を遺族に損害賠償請求する訴えを起こして、一審と二審で勝訴した。
今回、最高裁はJR東海の損害賠償請求を棄却する判決を言い渡した。
この判決は、画期的であると称讃されている。私も同感だ。
過去の記憶が蘇った。踏切事故について鉄道会社の担当者と話をしたことがあった。
乗用車が強引に踏切に入って電車と衝突した。乗用車の運転者は即死した。電車や駅の施設が壊れた。代替輸送の費用も発生した。損害額は1000万円を超えていた。
対物賠償保険金の限度額を超えた部分は、請求しないと言っていた。当時は、対物保険金額無制限という自動車保険は存在しなかった。
「古き良き時代」の発想だ。請求可能な損害賠償金を、相手が気の毒だと思って請求しないと、「背任」に該当する可能性がある。
今回の最高裁判決で、鉄道会社も気が楽になったのではないかと思う。