かつて、日本の住宅は欧米各国から「ウサギ小屋」と揶揄された。
これは事実に反していた。国別の住宅の平均面積を比較すると、アメリカのみが別格に広い。日本の住宅の平均面積はヨーロッパ諸国と肩を並べていた。
ただし、我が国では賃貸住宅の面積が持ち家の2分の1を下回っていた。子持ち世帯用の賃貸住宅が少ないことが原因だ。
前世紀末にこの原因を検討したことがある。
バブル崩壊までは、不動産価格は上昇基調だった。賃貸住宅の賃料も上昇基調だった。一方で、旧借家法によって借主の権利は非常に強かった。貸主が借主を退去させるためには、莫大な「立ち退き料」を払う必要があった。
新規賃料は契約時の需給関係で決まる。継続賃料は賃料改定交渉の末に決まるので、賃料上場局面では、継続賃料は新規賃料を下回っていた。このために、賃貸住宅オーナーは長期に入居する借主を好まなかった。新婚夫婦向けの狭い物件を貸し出して、子供ができたら退去してもらうことを望んだ。
少子化が継続しているので、この傾向は近い将来変わると思う。