12月読了本 ![]()
『 五葉のまつり 』 今村翔吾
目次:
まつりの序
まつりの壱 北野大茶会
まつりの弐 刀狩り
まつりの参 太閤検地
まつりの肆 大瓜畑遊び
まつりの伍 醍醐の花見
北野大茶会、刀狩り、太閤検地、瓜畑遊び、そして醍醐の花見。
豊臣秀吉が仕掛けた公私に亘る大事業を縁の下で支え、尊敬と嫉妬のまなざしを浴びながらいつしか五奉行と呼ばれるようになった男たち―石田三成、増田長盛、浅野長政、長束正家、前田玄以。
出自も思想も異なり、ぶつかることも多いが互いの才は認め、千利休、伊達政宗、徳川家康らの横槍をはねのけ、力を合わせて難事に立ち向かう。
すべては天下安寧、そして己を拾ってくれた殿下のため...。
今村翔吾が贈る、歴史お仕事傑作巨編。
『 イグアナの花園 』 上畠菜緒
目次:
一、 友の隠れ家
二、 雛鳥の学び舎
三、 イグアナの花園
四、 花束のリビング
五、 独り言の活け花
六、 美苑の星園
動物の言葉が分かる美苑は、植物学者で大学教授の父と、厳格な華道師範である母親と住む家の中庭やアトリエで、生き物たちの言葉に耳を傾けるのが日課だった。
一方、学校では人付き合いが苦手で「空気が読めない」子として回りから距離を取られていた。ある日、目覚めると、前日まで元気だった父が急逝した事実を知らされる。
そんな美苑に声を掛けたのは、父の同僚である児玉先生。
大学の植物園で飼育されている子供のグリーンイグアナを育てないかと美苑に提案する。
そして14年間、「ソノ」と名付けられたイグアナと共にアトリエで暮らし、充分満たされた生活を送っていたのだが、突然母から呼び出され、驚愕の通告を受ける。
母の体に癌が見つかり余命は恐らく半年。
その半年の間に結婚せよと言われ......。
『 元彼の遺言状 』 新川帆立
目次:
第一章 即物的(ザッハリッヒ)な世界線
第二章 中道的(メソテース)な殺人
第三章 競争的贈与(ポトラッチ)の予感
第四章 アリバイと浮気の間
第五章 国庫への道連れ(タグ・アロング)
第六章 親子の面子(ペルソナ)
第七章 道化(ピエロ)の目論見(もくろみ)
「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」奇妙な遺言状を残して、大手製薬会社の御曹司・森川栄治が亡くなった。
学生時代に彼と三ヶ月だけ交際していた弁護士の剣持麗子は、犯人候補に名乗り出た栄治の友人の代理人として、森川家主催の「犯人選考会」に参加することとなった。
数百億円ともいわれる遺産の分け前を獲得すべく、麗子は自らの依頼人を犯人に仕立て上げようと奔走する。
他方で、彼女は元カノの一人としても軽井沢の屋敷を譲り受けることになっていた。
ところが、軽井沢を訪れて手続きを行ったその晩、くだんの遺書が保管されていた金庫が盗まれ、栄治の顧問弁護士であった町弁が何者かによって殺害されてしまう……。
* 2年ほど前にTVドラマで見ました。
剣持麗子=綾瀬はるか イメージピッタリです!!
『 倒産続きの彼女 』 新川帆立
目次:
第一章 羨望と下剋上
第二章 あちらこちらの流血
第三章 同じくらい異なる私たち
第四章 トラの尻尾
第五章 命の値段
美馬玉子は、大手の法律事務所に勤める弁護士。
事務所の一年先輩である剣持麗子に苦手意識を持ちながらも、上司である津々井の指示で麗子とコンビを組むことになってしまう。
そして、ふたりは「次々と会社を倒産させていく」と内部通報されたゴーラム商会の経理部に所属する近藤まりあの身辺調査を行っていく。
ところが、調査中にゴーラム商会のリストラ勧告で使用されてきた小部屋、通称「首切り部屋」で、本当に首を切られた遺体を発見することになり、予想外の事件に巻き込まれる。
ベストセラー『元彼の遺言状』に続く、リーガル・ミステリー!
『 貸本屋おせん 』 高瀬乃一
目次:
第一話 をりをり よみ耽り
第二話 板木どろぼう
第三話 幽霊さわぎ
第四話 松の糸
第五話 火付け
物語の舞台は、文化年間の江戸浅草。
女手ひとつで貸本屋を営む〈おせん〉の奮闘を描く。
天涯孤独のおせんは今日も高荷を背負って、江戸中を振り売りして歩く。
時に幕府の狗に目をつけられ、板木泥棒、幽霊騒ぎ、幻の書物探し…
さまざまな事件に巻き込まれながらも、おせんは退かない。
すべては本を読み手に届けるため。
第100回オール讀物新人賞受賞作。




