最近の読書から。本

 

『 黛家の兄弟 』 砂原浩太朗

目次:

第一部 少年

花の堤

闇の奥

宴のあと

暗闘

逆転

夏の雨

 

第二部 十三年後

異変

襲撃

秋の堤

闇と風

冬のゆくえ

春の嵐

熱い星

道は違えど、思いはひとつ。
政争の嵐の中、三兄弟の絆が試される。

『高瀬庄左衛門御留書』の泰然たる感動から一転、今度は17歳の武士が主人公。
神山藩で代々筆頭家老の黛家。

三男の新三郎は、兄たちとは付かず離れず、道場仲間の圭蔵と穏やかな青春の日々を過ごしている。

しかし人生の転機を迎え、大目付を務める黒沢家に婿入りし、政務を学び始めていた。

そんな中、黛家の未来を揺るがす大事件が起こる。

その理不尽な顛末に、三兄弟は翻弄されていく。

陥穽あり、乱刃あり、青春ありの躍動感溢れる時代小説。

令和の時代小説の新潮流「神山藩シリーズ」第二弾!
~「神山藩シリーズ」とは~
架空の藩「神山藩」を舞台とした砂原浩太朗の時代小説シリーズ。

それぞれ主人公も年代も違うので続き物ではないが、統一された世界観で物語が紡がれる。

 

* 神山藩シリーズ、第三弾「霜月記」も楽しみです。

 

 

 

『 旅立ちの日に 』 清水晴木

目次:

第一話 木蓮の涙と桜

第二話 白鳥の海

第三話 さよなら、小さな恋のうた

第四話 卒業写真

第五話 だいせんじがけだらなよさ

第六話 旅立ちの日に

 

東京湾を横断するフェリーが発着する小さな港町・金谷を舞台に、約三十年に亘って、紡がれる出会いと別れ、そして奇跡と再生の物語。

愛する妻、大好きな母を失った血の繋がらない親子。

挫折し故郷に戻ったバレリーナと、寄り添う書道講師。

映画好きの同級生に恋した女子中学生の一大決心。

卒業式間近に親友となった二人の男子高校生。

余命宣告を受けた元妻と数十年ぶりに偶然再会した男。

彼らを見守るフェリー乗り場の総合案内係・椿屋誠。

無機質に見えた彼の心と表情も、人々の出会いと別れに触れ、やがて...。

 

 


『 できない男 』 額賀澪

目次:

1. ほら、何も起きない!

2. 覚悟できない男

3. 八つ当たりです

4. 難波仁志め

5. 文化祭の準備

6. 責任

7. できない男

 

地方の広告制作会社で働くデザイナー、芳野荘介28歳。

年齢=恋人いない歴で、仕事も中途半端な自分に行き詰まっている「できない男」。

ある時、地元の夜越町と大手食品会社ローゼンブルクフードが農業テーマパーク「アグリフォレストよごえ」プロジェクトを立ち上げる。

荘介の憧れの超一流クリエイター、南波仁志率いるOFFICE NUMBERが取り仕切る「アグリフォレストよごえ」のブランディングチームに、地元デザイナー枠として、突然放り込まれることに。

南波の右腕としてブランディング事業の現場担当を務めるアートディレクター河合裕紀、33歳。

彼女に二股をかけられていた者同士で意気投合した、イタリアンレストランオーナー賀川と遊ぶのが唯一の息抜きになっている。

仕事は超有能で、様々な女性と“親善試合”を繰り返しているけれど、河合もまた、独立や結婚など、その先の人生へと踏み出す覚悟が「できない男」だった。

山と田圃しかない夜越町で出会った、対照的な二人の「できない男」。

それぞれが抱えるダメさと格闘しながら、互いに成長していく姿が最高に愛おしい、大人による大人のための青春小説。

 

 

 

『 涅槃 上 』 垣根涼介

目次:

第一章 都邑の少年

第二章 見知った他人

第三章  ごうむね城主

第四章 流転

第五章 遠き旅人

 

死後440年、蹴りに蹴り続けられた男、宇喜多直家。

その実像を浮き彫りにする。

自分は何故、零落した武門に生まれたのか。

どうして自分は、このような孤独な星のもとに生まれたのか……

歴史小説界に革命を起こし続ける著者が描く、戦国史上最悪と呼ばれた梟雄(きょうゆう)の素顔、その生涯。

 

 

『 涅槃 下 』 垣根涼介

目次:

第五章 遠き旅人(承前)

第六章 逃げ水の行方

第七章 涅槃

 

歴史は、常に勝者の目によって捏造され、喧伝される。

敗者は、彼岸にて沈黙するのみである。

近隣の浦上や三村と激しくつばぜり合いをくり返し、彼らの背後にいる巨大勢力の毛利・織田の狭間で、神経を削りながら戦い続ける直家が最期に辿り着いた理とは。

 

 

友人に借りた『 文藝春秋 』第168回芥川賞受賞作2作品

 

『 この世の喜びよ 』 井戸川射子

 

思い出すことは、世界に出会い直すこと。

娘たちが幼い頃、よく一緒に過ごした近所のショッピングセンター。

その喪服売り場で働く「あなた」は、フードコートの常連の少女と知り合う。

言葉にならない感情を呼びさましていく。

 

* 常に二人称視点で進行するストーリー、何だか慣れないためか違和感が残る。

 

 

『 荒地の家族 』 佐藤厚志


あの災厄から十年余り、男はその地を彷徨いつづけた。

元の生活に戻りたいと人が言う時の「元」とはいつの時点か。

40歳の植木職人・坂井祐治は、あの災厄の二年後に妻を病気で喪い、仕事道具もさらわれ苦しい日々を過ごす。

地元の友人も、くすぶった境遇には変わりない。

誰もが何かを失い、元の生活には決して戻らない。

仙台在住の書店員作家が描く、止むことのない渇きと痛み。