あさくまの学生ステーキ
人間の味覚というものは、歳とともに、変わっていくものである。食べ物の好みも変わっていくと、たまに、昔のあの味が懐かしくなる。
私の思い出は、あさくまという、ファミリーレストランの学生ステーキというメニューなんやね。私の学生時代だからもう、36年ほども前。
ファミレスが流行りだして、そのうちのお気に入りの一つが、「ステーキのあさくま」というチェーン店やった。何か有ったら行っていた。
学生の分際でレストランなんて贅沢やったかも知れないけど、比較的お安い値段で食べられた学生ステーキが確か580円ぐらいやなかったかな。
今で言う、ハンバーグステーキのつなぎが無い、合成肉のような感じ。赤身の固すぎるお肉と、脂身ばかりで捨てられるような肉を粗挽きミンチにして、それをブロック状にして、冷凍し、ミートスライサーで切ったような感じやったかな。
今の時代で、これをステーキと呼べば、消費者からクレームされるだろうけど、当時は、これはこれで良かった。恐らく豚肉も入っていたのやろうね。。。
不思議とあまり焦げてなかったから、オーブンで蒸し焼きにでもしてはったのやろう。ステーキ皿に載せた丸い南部鉄のような鋳物のお饅頭のようなものを熱く熱したものが横に乗っていて、レアな部分があれば、それで焼くようにサーブされていた。
これと一緒に出されるのがレモン果汁が入ったステーキソース。これにライスかパン、スープが付いていたかな。添え物は甘くグラッセしたキャロットと絹さやぐらい。
ナイフを入れると中から肉汁がじゆわっと出て来て、たまらなんかったわ。。。味は塩胡椒のみ。でも肉の味と香りが良くて、ご馳走やった。。。
ところが、このあさくまは、京都に2~3店舗はあったと思っていたが、順次撤退して、確か名古屋方面の本社近くと関東だけになってしもた。これが食べたくても食べられなくなったのは、残念やね。。。他に無かったから。。。
以前に一度だけ神戸三田の肉屋で学生ステーキのパックした冷凍ものを見た事があったけど、もう今は無いみたい。。。名古屋か神奈川に行かないともう食べられないのかな。。。
飽食の時代。お金さえ出せば、美味しい物はいくらでも食べられる。でも、想い出に残っている味というものは、なかなか、手に入れることが難しい。
良い想い出は、もう手の届かないところに行っていて、それに横恋慕すると、余計に欲しくなるもの。何か、恋愛に似ているね。。。