京都でのお葬式・法事について
10/5(水) ギフト関係のお仕事をしていると、いろいろと、京都の因習に関わるご質問を、他の地域の方から聞かれるケースが多い。特に仏事関係での習わしとか、常識のようなもの。。。これだけ、マスコミが発達して、日本全国が、金太郎飴のように、何事でも、均一化されていく世の中でも、こと、お仏事に関しては、実は、全国一律の常識なんて通用しない場合が多いのやね。。。
極論して言えば、京都の常識は東京の非常識。。。山一つ越えるだけで、川一つ渡るだけで、その地域の風習とか、慣習とかは、驚くほど変わるもの・・・と、認識されておいた方が良いとお答えする場合が多い。。。
私には京都の風習しか解らないので、ここは、お葬儀を例にとってみようと思う。ただし、一般的とは言っても、宗教の差、同じ京都の中でも、地域的な差も大きい。だから、基本的に、これが、絶対に正解であるとは思わないでいただきたい。強いて言えば、その家だけの、そのやり方が正解・・・ぐらいに思われた方が正しいのかもね。。。それだけ千差万別やということや。。。
さて、ご不幸のご連絡があった。最近は香典を取らないところも増えたけど、今回は普通に受け取られる場合としようか。。。まず悩むのが、お香典を包む金額。。。相手の方と、自分の関わりの深さとか、年齢的な物でも変わる。。。
50代の男性が普通の知り合いの通夜か告別式に出るのなら、最低5000円。深い知り合いなら、10000円というぐらいが相場になる。親族なら30000円、もっと深い親戚なら5万円、10万円ぐらいが相場かね。。。香典取らないところは、例えば自分の家の葬儀の時にお香典とか、お花をしてもらっていたなら、常識的には、お花を御供えして返す・・・という感覚。。。1万円ぐらいの生花を代わりにしておく。
さて、香典を受付で渡して記帳するか、名刺を差し出す。読経に続いて、お参りをした後、帰りに、貰うのが粗供養。。。京都の人は、ちょっと見栄張りのところがあって、他の地域より、ちょっと高いようや。。。1000円が粗供養の相場。商品券であったり、お菓子が多いかね。。。商品券でなかったら、京都の老舗の和菓子屋さんのものがほとんどやね。これも千円。。。この粗供養は、会葬御礼品という意味合い。わざわざお出まし下さってありがとうございます・・・の意味。。。交通費的な意味合いも強いと思う。。。これはいわいるお返し・・・ではないので、お間違え無く。。。
私の住んでいる街なかの古い地域では、同じお町内の人が亡くなると、二七日に同じ組の方を家に招くか、送り膳と言って、仕出し屋さんのお弁当を近くのお家全部に配る風習も有った。。。最近はもうないけど。。。
そして、五七日か七七日に忌明けの法要を近親者や縁者を呼んでする。この席に出席する場合は、一人10000円の御供えをするのが普通。法要の会費と考えると分かりやすい。夫婦二人で行くなら2万円。。。別に仏さんへの御供えとして、3000円ぐらいのお菓子を持って行く場合が多い。。。
法要の後の精進落としには、5000円ぐらいの料理を出して、3000円ぐらいの粗供養を持って帰ってもらう。ただし、夫婦なら、夫婦で、1つだけ。。。この粗供養は、あくまで、忌明けの法要の、お土産ぐらいの感覚でいると混同しない。当たり前やけど、これも、いわいる、お香典返しではない。。。香典返しは、後日、貰った金額の半分から三分の一程度をこの忌明け法要を終えた翌日から一週間ぐらいの間に、先様にお届けして、着けるのが普通。。。
よく、法要の時の粗供養を「返し」と表現されて、御供えのお返しと、お香典のお返しをごっちゃにする方が多い。。。まぁ、それでもし、片方の、一つしかしなかったら、あそこの家は・・・。てなことになって、非常識のレッテルを貼られることになる。。。後ろ指を指されること・・・京都人はこれを最も忌み嫌う。。。非常識の烙印を押されたら、生きていけない・・・ぐらいの恥の文化が京都にはあるからね。。。
自分で、葬式を出して、一番悩むのが、僧侶への御礼。相場ってヤツは、有って無い・・・ということにしている。御礼の中に、戒名料が入っているか入ってないか、そもそも、神道やキリスト教、学会さんとかは戒名も無い。。。だから、この僧侶の謝礼の相場を聞かれるのが、一番困る。ぜんぜん、金額が宗教によって違うからや。。。
まぁ、信者が比較的多い、浄土真宗で、枕経~告別式終了までで20万ほど。初七日から満中陰までで、10万~15万ぐらいが目安かね。。。これと別に、戒名代。。。地獄の沙汰も金次第。。。死んでから付けてもらう戒名にも、ランクがある。院・居士・信士(いんこじしんじ)・・・っていうフレーズを聞かれた事かある人も多いやろう。基本的に戒名は長いほど高い。。。特に院号は安い浄土真宗でも10万円は要る。他の宗教やったら、30万、50万ぐらいが相場のところもあるから、大変や。。。
葬式にお金がかかるというのも、この宗教者への御礼が大きい。葬儀社に支払うお金より、こっちの方が多い時もあるからね。。。他に料理代も馬鹿にならん。。。何十食も3000円とか5000円のお膳料理を出していたら、当然、何十万はすぐに飛んでいく。。。
他に、仏壇の位牌、お墓のお金、相続の費用、なんぼでも必要になるから、正直、お仏事を終えたら、精神的にへとへとになるのが本音。。。やったものしか分からない事やけど。。。
他の地方のお葬儀に行くと、いろいろと地域差があって面白い・・・。滋賀県の湖西地域の親戚の法事とかに行くと、両手に持ちきれない山のような重たい粗供養を持たせて返す。。。お車代まで入っていて驚く。。。自腹で電車乗って行っているだけやのに。。。滋賀県の湖東地区、岐阜、愛知などもなかなか派手と聞く。。。
大阪は、きっちり香典返しを商品券で半額返してくる。地域的な割り切り方があるのやろうね。。。和歌山なんかもギフト券ばっかり。。。逆に関東のお葬儀では、3000円のお香典でも30000円のお香典でも3000円ぐらいのタオルとかの即返し。。。それだけ。。。へぇ~。。。そのなのあり・・・って、びっくりする。。。北陸地方なんかも派手やね。。。あるこの地方の方のお葬儀では大挙してその地方の方が来られて、みんな金封を二つづつ持ってこられるんや。。
一つはお香典もう一つは、入院されていて、お見舞いに行けなかったから、その意味合いのお金なんやそうや。。。それがお悲し見舞いになる。。。それのお返しはしんでええのやて。。。貰い切り。。。風習やね。。。
京都で、特に浄土真宗系、つまり西本願寺、東本願寺の系列では、もともと、亡くなった人の魂は、常にあなたの側にありますよ。。。というのが教義になっているので、同じ京都でも、他の宗派である浄土宗、真言宗、禅宗、曹洞宗などではやる、お盆の行事などを全くしない。だから初盆の風習は門徒には無い。。。有名な五山の送り火も霊を送る行事なのやけど、あれは、比叡山延暦寺の行事であって、本願寺は関係無い。。。
実は、浄土真宗の信者は、門徒さんと呼ぶのやけど、この宗派は、大変戒律が緩く、誰でも信仰出来る宗派を目指したためか、「門徒もの知らず」とか行って、他の信者から、「仏教の作法を知らない」と、批判されることも多いのやね。。。
確かに他の宗教では当たり前の、例えば、死装束は左前、とか、友引に葬儀をしても良いとか、清めの塩は使わない・・・とか、北枕にしない・・・、六文銭を持たさないとか、他の宗派の人たちからしたら、カリカリ来るような事が多いのやね。。。焼香も一回(又は二回)、線香も立てずに短く折って横に寝かせる。。。位牌を作らない。僧侶は剃髪しなくてもいい、戒名は釋ではじまる。。。逆に、門徒は楽とも言える。。。宗教なんて、そんなに熱心過ぎては身を滅ぼす・・・という、緩い考え方の人たちもいて、大衆宗教として広まったという説もある。。。
この浄土真宗が、他の宗派とはかなり変わっていて、一概に京都の葬儀とは言っても、画一的にならないケースが多いのやね。。。
それと、これも良くされる質問なのやけど、葬儀の進め方のルールを、どの地域のルールに会わせるべきかというのが多い。いろいろな地方から、文字通り、「上京」してこられている京都というまちでは、その方のご先祖さまのやり方がそのまま、持ち込まれる。だから、京都で葬儀や法事をやられても、必ずしも京都流でなければならないという事は無い。私は、喪家さまが我が家のルールはこれだ・・・というのを決めて、こちらの風習でやられたらどうですかと答えることにしている。一部のお客様だけ・・・に合わせるのには、いろいろな人が来られたら無理が出るからね。。。
だから、いろんな地域の人たちが多く来られる場合などでは、やはり、この地域でのルールに会わせたやり方をした方が無難ということになる。。。つまり、京都の仏事っていのは、実は、いろいろな地域の風習が持ち込まれていて、それの最大公約数になって出来ているっていう部分があると思うのやね。。。だから、京都ではどうですか・・・というのが、よく聞かれるし、京都での礼儀作用のような本が、売れる。。。
法事、仏事を執り行うのは、喪主さん、自身であるので、基本的には、ご自分の家のルールをしっかり確立されて、それに乗っ取ってされれば良いだけのこと。人さまは人さま。うちは、これでいくという信念を持たれることが一番大事なことやと思う。。。それが、いろいろと、無知で恥ずかしいと思われるのであれば、勉強すりゃええし、解らなければ素直に人さまに聞く。。。この勇気が無かったらあかんと思うけどな。。。一番、あかんのは、知ったかぶりかもね。。。