責任のなすりつけ合いよりも、やることがあるやろ
10/28(火) 政治家さんたちは、どうもバトルがお好きのようで、大阪府の橋下徹知事と朝日新聞の、ド派手なバトルに続いて、今度は、東京都の石原都知事と舛添厚労大臣のバトルが勃発した。。。妊婦たらい回し事件について、東京都と国とが、各々を批判し合ったものやったけど、両方とも、言い合っている場合か・・・って言いたいね。。。何か、責任のなすりつけ合いのようで、見苦しい。。。
医師不足は、厚労省が、医療費全体を抑えようとして、そのために医師の数を減らそうとした結果、起こった事。完全な失政・・やのに、誰一人、責任を取らない。。。これは、確かに、大きな意味での国の大チョンボや。。。まぁ、既存の医師たちが、そんなのを後押ししていて、自分たちの価値を高めようとしただけ・・・という見方も出来る。。。これは、ほんま、国の大きなミスやね。。。
ただ、東京都のような大都会で、医師不足・・・なんて言っても、そんな理屈は通らないと思うで。。。ようは、使命感に燃えて、やる気のある人たちを、ちゃんと確保出来ているか・・・という問題やからね。。。その医師の適正配置が出来ていない状況を作ってしまっていた・・・となったら、東京都に責任が無いとは言えないやんか。。。
救急救命医療の現場では、大きな病院がたくさんある都会では、輪番制で、この曜日は、この病院は絶対に、断らない・・・というような方式を採っているところもあると聞く。そうしないと、患者のたらい回しが後を絶たないからや。。。そのためには、そんな病院では、どんどん患者を転院させたり、早期に退院させたりしている。つまり、救急救命に徹底しているのやね。。。そんな工夫が大都市型の街には必要や。。。
ところが、病院の経営側からとったら、このお客さんを追い出すようなことが、なかなか出来ないのやね。。。この辺りが、ビジネスとしての医療の難しいところで、医は算術なり・・・なんて言われるほど、高額のお金が動く世界で、いろいろな葛藤があるのやね。。。
特に、救急救命の世界では、市民サービスの意味合いが強い事から、採算を度外視した対応もしなければならないケースが多いと思うんや。。。浮浪者が行き倒れて、救急車で運ばれて来て、誰も引き取り手が泣く、行政が福祉予算で、火葬をして埋葬する。。。なんてこともある。。。24時間体制で急患を受け入れなければいけないところでは、医師や看護師をいかに確保しておくか・・・これが一番のキーポイントになる。。。
ご存知の方も多いと思うが、公立の病院の医師のお給料なんて週に3回も来ている人でも、月給15万とか20万ぐらいしかならん。。。これだけでは、食って行けないから、私立の病院でバイトする。週に1回しか行かないのに、月給100万は貰える。。。なんていう話を聞いた事がある。。。つまり、医師を確保するためには、有る程度の高い報酬を積まないと来て貰えない・・・というのが現実なんやね。。。
医者の世界では、大学病院の偉い教授さんたちが、大きな力を持っていて、その先生の傘下に若い勤務医が登録されているような制度が出来ている。だから、私立の病院なんかは、この教授さんに頼んで医師を派遣してもらっている・・・というような関係になっているのやね。。。。若い勤務医さんからしたら、大学病院で、ずっと勤務医をやっていたら、安い給料のまま・・・。私立の病院に教授の紹介で派遣されたら、たくさんのお金がもらえるから、バイトはとても有り難い。。。だから、とても教授先生には、頭が上がらない・・・という関係が強固になる・・・という構造になっとるのやね。。。
ところが、医師の数が減ってくると、今まで私立の病院に派遣してきた医師を大学病院に引き上げて、何とか医師数を確保しよう・・・という動きが強まるのやね。。結果、どうなるか。。。民間の病院では当直するような医師の数が激減して、救急を受け入れられない・・・という理由でどんどん救急受付を辞める病院が出てきてしもたんや。。。特に、産科などではこの傾向は顕著だし、小児科医も少子化もあり、減ってきている。。。
医者になる人たちも、内科や外科、歯科、眼科などは、なり手が多いのだけれど、訴訟リスクが高い科目や、勤務体系がキツイ科目は、やっぱり敬遠される傾向が高いから、ますます、特化した科目の医師不足に拍車がかかる・・・という現象が強くなってしまうのやね。。。医療というのは、なかなか、ビジネス。。と割り切れない分野のお仕事や。。。有る程度国や自治体が関与しないといけない性格の仕事・・・という認識が、やっぱり外せない。。。ところが、国や自治体は、民間の医療機関に、医療を丸投げして、公立の医療機関をどんどん縮小しようとする傾向にある・・・。これは、おかしな事になる。。
日本では、救急車の費用が無料である。アメリカなんかでは、けっこう高額な費用を請求されると聞く。。。日本の医療は、いろいろな意味で民と官を微妙に組み合わせて、今のような体制を維持している。。。でも、それって、実はとても、綱渡り的な要素が強いのやね。。。
ひとさまの命を助ける仕事・・・。これが商業ベースの環境でしか成り行かない・・・とすれば、民間病院が全部経営破綻したら、我々は病気にもなれない・・・という恐ろしい状況に追い込まれる。。。人の命を守る仕事は、ソロバンより、使命感の方が求められるものや。。。これはやっぱり、官が最もやるべきお仕事のひとつ・・なのやないのかね。。。日本でもいつか救急車が有料になる時代が来るかも知れない。。。人の命よりも、ゼニカネの方が優先されてしまう世の中に、なっていかんように、今、何が出来るかやね。。。