怪我を言い出せなかった土佐を責めたらアカン | 京都発、言いたい放題!~毎日更新~

怪我を言い出せなかった土佐を責めたらアカン

8/21(木) まだまだ熱戦の続く北京五輪。そやけど、ここに来て、いろんな問題が噴出してきている。中国人が一番期待していた選手のひとり、110メートルハードルの劉翔という選手。この人、日本選手で言えば、北島康介みたいな存在なんやね。。。

 アテネオリンピックで、アジア人としては初の、フィールド競技ではないトラック競技での金メダリストであるのは、もちろん、中国内で、いろんなオリンピック関連のコマーシャルやら、ポスター、看板、など、劉翔を見ない日は無い・・・というほどの人気選手なんやそうや。。。おかげで、この選手の出場する国家スタジアムのチケットは、プラチナチケットで、何十倍ものプレミアが付いていたそうや。。。

 それやのに、当日、決勝の時になって無念の出場断念。。。中国人は、本当に、がっかりしたんやろうね。。。コーチや監督が泣いて会見するぐらいやから、よっぽどやで。。。向こうの新聞も、この選手のことを批判するのを止めよう・・・というキャンペーンをしなくてはいかないほど、中国人のがっかりぶりは、大きかったのやろうね。。。ネットで劉翔を批判する書き込みもかなり酷いそうや。。。

 日本だって、女子マラソンの野口みずきの突然の肉離れによる北京欠場・・・にがっかりした人は多かった。。。一度頂点に達した人が4年後にまた世界一であることを期待されるのは、仕方のないことなのかもしれないけど、4年の歳月というのは、容赦なく選手本人に降りかかってくる。。。毎日100㎞を超える走り込みをこなしてきた野口。。。走った距離は裏切らない・・・・という名言を残していたのやけど、ハードな練習をし過ぎて、故障してしまう・・・というリスク。。。なぜ、そこまで自分を追い込むのか。。。それは、金メダリストとはいえ、練習しなくては、不安で不安で仕方がない・・・という、心の裏返しなんやと思うのやね。。。

 野口が北京断念を発表して、同じ女子マラソンの土佐礼子にどれだけのプレッシャーがかかったか。。。野口がダメ・・・になって、土佐が疲労骨折していた・・・なんて、絶対に言い出せるものやない・・・同僚の渋井陽子が言っていた言葉が、北京に来て、全国民から寄せられた期待の大きさ、その重圧の恐ろしさ。。。それを想像させられるような話や。。。

 最近の日本選手のオリンピック感は、自分のベストを出せればよい・・・とか、自分らしい活躍がで聞けばよい・・・とか、自分色のメダル・・・とかに代表されるように、自己実現型、選手の個人の最高のパフォーマンスが出せれば良し・・・とする風潮にだんだんなってきている。

 とはいえ、北京に来ている選手達は、故郷や同僚、コーチやスタッフの多くの人たちに支えられて、ここにいる。。。という感覚にやっぱりなる。。。この期待に応えられれば良いのだが、自分の責任で負けた・・・とか、自分の努力不足で失敗した・・とかなれば、穴があったら入りたい・・・なんてことになるのやね。。。

 東京五輪の男子マラソンでメダルを獲得した円谷選手は、その後、日本中の期待に押しつぶされて、自らの命を絶つという・・・壮絶な死を迎えている。。。それ以来、日本では、必要以上に選手たちに重圧を与えないようにしよう・・・という配慮が生まれてきた・・・と思うのやね。。。

 五輪は参加することに意義がある。。。と良く、言われてきた。。。でも、その事は、裏返しとして、国のため、自分の名誉のために、戦え。。。これだけ、税金を使って強化策をしてもらっているのだから、負けることは許されない・・・という、脅迫めいた雰囲気が、全く無くなることは無いのやね。。。。

 特に、今の中国では、中国選手一人には110億円もの巨費が投じられている・・・なんていう信じられないほどの数字が新聞に載っていた。。。失敗の許されない、この日のために・・・という思いは、ある時は、その人の能力を120%引き出す事になるのだけれど、その逆の時には、恐ろしいバッシングの嵐で、その選手そのものを押し殺してしまうのやね。。。

 結果が全てではなくて、その選手がやった精一杯の努力に、素直に感動し、結果に関わらず、大きな拍手を送ってあげられるように、早く世界中の人たちが、なれればいいね。。。