密告者の葛藤。。。(大阪トヨタの場合)
3/17(月) 日本という国は、まだまだムラ社会が続いているのやねぇ・・・と実感させる記事が、この前、夕刊に載っていた・・・。大阪トヨタの社員が、自分の会社がやっていた「車庫飛ばし」という違法行為を、内部告発したんやね。。。この自動車販売会社は、ノルマを達成するために、車庫証明が取れない顧客からの注文に応じて、会社ぐるみで違法覚悟で、こんなことをやっておったんやね。。。まぁ、こんなことは、日本中のどんな自動車販売会社でもやっておることなんやろうけど。。。。
この内部告発によって、結局、この会社の社員19人が逮捕、送検されたんやて。。。つまり、一挙に前科者がそんだけ出来たわけや。。。。ところが、この内部告発をした社員の、その後の社内で受けた仕打ちは、どうやったか。。。当然と言えば当然かも知れないけど、この人は、社内では完全に無視されて、ノイローゼになり休職・・・。正しいことをしたのに、結局馬鹿を見るような結果になる。。。。あかんことなんやろうけど、これが、厳しい現実なんやね。。。
日本という国は、人と人のつながりとか、仲間同士との信頼・・・とかいうのを、とても大事にする風土がまだまだある・・・。例え、それが、悪いことであったとしても、それをチクるヤツっていうのは、どの社会でも嫌われるのやね。。。。すぐ、先生に言いつけるやつを、いけすかんヤツ・・・と、みんなが仲間はずれにする感覚と同じや。。。。
京都のお茶屋さんなんかでは、いつ、誰が来て、誰と逢い引きしいた・・・なんていうことは、口が裂けても、誰にも決して教えない。。。これが、いわば、花街の掟やんか。。。これがあるから、客は安心して、お忍びでやって来てくれるし、少々の悪さをやっていても、包み隠して、匿ってくれる。。。そんなところがあるのやね。。。。これは、客とお店の信頼関係で成り立っておる。。。
ところが、昔、田中角栄という時の人が「蜂の一刺し」と言われた、夜の街の女、ただ一人の密告により、スキャンダルをバラされた・・・という事件があった。。。当時はセンセーショナルやったね。。。自分の上顧客を、カネで、マスコミに売ったこの女のことを、評価する人と、とんでもないヤツ・・・やと批判する人・・・いろいろやった。。。つまり、この内部告発っていうのは、極めて日本の社会にとっては、違和感のある、人の和とか、人間関係が崩れることを最も嫌う・・・という体質とは、相容れない・・・という性格を持っているのやね。。。
そういえば、ちょっと前の、牛肉偽装の時に、西宮冷蔵という会社が、自分のとこの冷蔵倉庫の中で、米国産の牛肉を、国産牛やと、ラベルの貼りかえをやっとる・・・と警察に通報して、発覚した大事件があった・・・。その西宮冷蔵は、自分のお客を、警察に売り渡すようなところには、安心して商品を預けられない・・・と、ぜんぜん荷物を預けてもらえないのやて。。。何か虚しいけど、これが現実。。。正しいことをやったはええけど、その告発をやったら、一気に自分の周りの信用とか、人間関係が音を立てて崩れてしまう。。。これもまた現実なんや。。。。
そうそう、そう言えば、地方の道路工事の発注について、今まで、談合を繰り返していたグループの中で、1社だけ談合を告発しよったところがあって、今まで談合しておったところが全部告発された・・・というのがあった。。。結局、この内部告発をした会社は、これ以降、仕事が取れなくなって廃業した。。。
こんないろいろな事情が日本中であるのやね・・・。マスコミは、こんな内部告発を、どんどん推奨するような正論を、いつも吐く・・・。そして、勇気を持って内部告発をした人を賞賛して、その人のことを、守れ!なんて、ええかっこをして言う。。。ところが、現実では、誰も助けてくれない・・・。そんな、ものすごく無責任なお話なんやね。。。。焚きつけるだけ焚きつけておいて、後は知らん。。。。冷たいもんや。。。正しいことをしたのに、それが報われないこと・・・・って多いと思う。
でも、よくよく考えて見たら、だからと言って、あまりにも、密告を助長させるような社会って、何やねん。。。と思わへんか?
その昔、戦前の日本では、全国民を戦争に向かわせるために、隣組というのを使って、その組内の人間同士を監視させる制度を採っていた。そこには、誰も信用することか出来ない・・・。何か有ったら、すぐチクられる。。。という恐ろしい世界が有ったやんか。。。
また、北朝鮮でも、政府の転覆を狙う勢力が起きてこないように、徹底的な民衆弾圧と、密告制度をとっているんか。。。この制度って、権力の側にある人にとってのみ便利な制度であって、人間が人としてあるべき、最もプリミティブな部分である、人をまず信じること・・・というのを、根底から覆してしまうことがある恐ろしい制度なんやね。。。
もちろん、悪いのは、何か、こそこそと、良からぬことを、やっている奴らなのやけど、このことが、逆に相手を陥れるために使われる。。。まるで痴漢えん罪のようなところが有るのやね。。。つまり、このような社会では、みんなの共通の秘密を暴く行為=悪・・・という図式が成り立っているのやね。。。
この手の話になると、どうしようもない迷路に迷い込む・・・。談合はあかん。不正なインチキもあかん。けど、人間関係やら人と人の信用関係・・・っていうのも大事や。。。ほな、どうせえ・・・っちゆうねん・・・ということになる。。。人がうまく、社会を泳いでいこうと思うと、色々と障害が出てくる。生き方な上手な人は、その流れに逆らわずに、その流れに身を任す。。。
反対に生き方の下手な人は、悪を許せないし、見て見ぬふりを出来ない人や。。。私は、どちらも大事やと思うのやね。。。言い方を変えれば、人は、この二つをうまいこと使い分けて生きている。。。そう思うしか無いんや。。。それが、広い意味での社会的なモラルっていうのを形勢しているし、それが、社会がこれ以上悪くならないがための歯止めになっているのやね。。。
日本人独特のムラ社会的なところは、これだけ日本がグローバル化したと言われていても、実は何にも変わっていない・・・というところがある。でも、急には無理でも、何とかみんなで、少しずつでも、変えていかんと、あかんところなんやね。。。人との関係は崩さずに、あかんことを少しづつでも無くして行く。。。今は、これしか無い・・・のやないかね。。。