走った距離は裏切らない・・・日本人が忘れかけていたこと | 京都発、言いたい放題!~毎日更新~

走った距離は裏切らない・・・日本人が忘れかけていたこと

12/3(月) 先週、北京五輪選考を兼ねた女子マラソンで野口みずきさんがダントツで優勝した・・・。野口さんと言えば、アテネ五輪の金メダリストだけど、その前の高橋尚子さんと違って、あんまり、マスコミには出ないし、地味なイメージなんやね。でもね、この人、昔は京都で練習をしていて、雨の日なんか、近くの三条通商店街のアーケードをよく走っていたりして、京都の人からしたら、とても親近感のある人なんやね。。。

 それに、この人の、2005年のベルリンマラソンで優勝した時の言葉。。。「走った距離は裏切らない・・・」という言葉。。。。重いね。。。地味だけど、コツコツと、頑張ってきたら、きっとその努力は、絶対に嘘はつかないし、無駄にはならない・・・という、意味のコメントなんやけど、何か、今の日本が忘れてしまっていた何かを感じさせる言葉やと、思うのやけど、どうやろう。。。

 戦後40年ぐらいまでの日本は、地味に努力することが、とても大事である。。。という、価値観が、まだまだ、有ったと思うんやね。。。そんな人が少なくとも尊敬されていたし、周りもそんな人のことに、一目置く・・・という空気があったはずや。。。ところが、1990年ぐらいのバブル景気の辺りから、どうも、この辺の精神構造みたいなものが、どんどん、薄っぺらいものに、変わってきた。。。何の努力も無しに、例えば、ものすごい額の不動産を右から左に転売するだけで、簡単に、大儲けが出来てしまったり、何十年もコツコツと積み上げてきた会社が、ある日突然、外資に買収されてしもて、またマネーゲームのように、転売される。。。いったい、自分たちの今までやってきたことは、何やったんやねん。。。と、アホらしくなって来る人も、この頃から、多くなってきたのやないかね。。。

 今までの仕事のやり方も、インターネットやら、コンピューター、携帯電話なんかの発達で、とても便利にとても安く、ついには、これが無くては、ならないぐらいの価値を持つようになってきた。。。今までのやり方は、全否定されてしもて、積み上げて来たもの、全てが過去の遺物になってしまう。。。そんな、感情を持った人らも、たくさん居たと思うんやね。。。

 でも、その結果、ものすごく大事なことまで、いとも簡単に決められてしまう。。。そこに、何か忘れてしまってはいけないものが、有ったと思うんやね。。。野口さんの言葉は、真面目にコツコツと努力することの大切さを、みんなに、見事に伝えた・・・。その意味で、凄い言葉やったと思うんやね。。。

 スポーツの世界というのは、特に、地道な繰り返し繰り返しの、練習がとても大事な分野やと思う。ところが、最近の日本は、どうも、この地味で、誰も見ていないところで、ストイックに自分を追い込むタイプの努力・・・というものを、嫌う傾向にあるのやないやろうか。。。派手で、マスコミの注目を浴びるような亀田三兄弟のパフォーマンスとか、テレビ的に、何か絵になるような練習しかしない。。。それでもって、結果だけ良い成績を求める。。。そんな、あつかましい風潮が、どこか、今の日本に無いかね。。。

 先日も、バレーボール女子全日本の元セッターの中田と、現セッターの竹下、大林素子なんかが、テレビで対談しているのを見ていたのだけど、中田が今の全日本の練習ぶりを見ていて、休みがあるのに驚いていた。。。女子バレーと言えば、東京五輪の大松監督以来、人並み外れた練習量で、世界のマスコミを驚かせて来た。日本がバレーの世界で強かったのは、体力や体格をカバーするための、猛練習。。。それしか無かったからなんやね。。。それが、いつの間にか、日本のバレーは、世界の一線からは、少し置いていかれるようになってしまった大きな原因の一つなんやないやろうかね。。。

 確かに、今の日本は、昔のように、貧しくなくなったし、昔のように、朝から晩までしゃかりきになって、努力しなくても、有る程度、結果が残せる社会にはなった。でも、その代わり、人間に甘えが増えて、これぐらいやったら、そこそこ、ええとこに、行ける・・・とか、そんなに頑張ってどうするの?とか、いう、おかしな価値観が出てきてしまったのやないかと思うんやね。。。必死になることが、何か、格好悪いことのような、歪んだ考え方が。。。

 でも、実は、世界はそんな甘いものやなくて、本当に努力しない人は、結果を残せないのは、当たり前のことであって、そんなに甘いものやないのやね。。。スポーツの世界では、その国の置かれている経済的な状況によって、昔は大きな格差があったんや。。。食べるのだけで精一杯だったアフリカの国の選手と、衣食住が足りて、十分な環境の整った先進国の選手が、同じ土俵で相撲を取っていたようなものやったからね。。。そりゃ、先進国の選手しか勝てへんかったやろ。。。

 アジアかて一緒や。。日本がアジア大会の金メダルの9割以上を、いつも取っていた。。。アジア大会に出る選手は、日本は、二線級の選手達しか派遣してなくて、これやったからね。。。そら、日本だけ、アジアの中で良い環境でスポーツが出来る状態やっただけやったんや。。。他の国では、政情不安定やったり、戦争してたり、ものすごい貧困があったりして、とても、スポーツどころやなかったしね。。。

 つまり、それだけ、世界は、昔のような格差が無くなって来ていて、均一化の時代を迎えている・・・ということなんやね。これは、有る意味、良い傾向ではあるのだけれど、日本の優位性・・・といったことになると、どんどん少なくなって行ってしまっている・・・ということなんやね。。。経済的にも、そんなことが言える。。。相対的に日本の地位は、どんどん下がってくる・・・。問題は、そこで日本がどうするか・・・なんや。。。

 日本は、資源も、何もない国や。別の見方をすれば、人しか、資源が無い国や。そんな国なんやから、人を教育したり、人を育てたりする努力を、怠ってしまったら、何もない、だだのアジアの片隅にある島国になってしまう・・・という、危機感が必要やと思うんやね。。。つまり、努力することを止めたとき、日本は日本でいられなくなる。。。極言すれば、そんなことが言えると思うんやね。。。

我々は、もう、十分に豊かになった。。。という、言葉は、今の日本を一番ダメにしてきたし、これからも、決して言わないことにしようや。。。何もない日本が、世界で先進国で有り続けたいのならね。。。走った距離は裏切らない・・・この言葉の裏には、努力することを止めたら、そこには、絶望が待っている・・・という言葉が隠れているのやからね。。。