タクシー会社はなぜ潰れないのか?
8/8(水) 市場原理主義という言葉がある。ここに、よく流行っているハンバーカー屋さんが10軒有るとしよう。この町の住人はハンバーガーが大好きで毎日3食このハンバーガーを何故か食べている。。。。すると、10軒のハンバーガー屋のなかには、流行るお店と、流行らないお店が出てきた。より味に工夫を重ねて、より安い価格で売る店が流行って、あまり努力しないお店は流行らなくてやがて、店を閉店していった。。。つまり、良いサービスと良い製品を売る者は生き残り、努力しない、まずい商品しか提供できない店は自然に淘汰されてゆく。。。そういうこっちゃ。。。
いったい、何を言いたいかと言うと、実は、小泉首相が採っていた市場原理主義というのは、とても無責任なものだと言うのが言いたいのである。なぜなら、為政者は、何でも解放して、競争する人が増えたら、良いサービスや製品を、より安い価格で売っている所が、自然淘汰して勝ち残る。その結果、消費者は選択肢が増えて、価格競争のため、より高品質で、より安い製品を手に入れられるとこになる。。。という面だけを捉えているのである。。。
実は、この競争をしている人たちも市民である・・・という視点がここには無いのである。。。市場原理主義とは、市場原理に何もかも任せていれば、何でも上手く解決する・・・。という極めて楽観的な考え方の上に立っているのである。。。そして、一番大事なことは、為政者は何もしない・・・ということなのである。このハンバーガー店を経営していた人は、他の仕事を探すことになるのだが、この人たちのフォローがまるでないのである。。。つまり、本当は「勝ち組」「負け組」なんていう浮ついた言葉なんていう現実は無かったのに、弱者をよりいたぶるような、人間性ゼロの冷たい世の中にしてしもたからなんや。。。
これの典型がタクシーの運転手さんやろうね。。。。昔は運輸省がタクシー会社に何台という枠を設けて、この街には、いったい何台のタクシーが必要か。という視点で、タクシーの台数枠を与えていた。ところが、規制緩和で、どこも、どんどん、車を増やせてしまうという状況が生まれた。するとどうなるか。。。タクシーの1台あたりの水揚げがどんどん減っていったのである。。。昔なら月に80万やそこらは稼いでいた人の水揚げも、どんどん減って、今や月に40万がやっと。。。ええ都心部した立派な運転手さんが朝の6時から夜の11時まで働いても20万も収入が得られない。。。こんなアホな社会は無いわなぁ。。。
こうなったら、タクシー会社はどうするか。企業は、会社全体の売上を下げないために、またまた車を増やして、結果として、全体の水準を維持しようと考えるんや。。。つまり今まで50台でやっていたのを70台80台に増やして、全体の売上高を維持しようと考えるわけやね。。。
昔なら、増車の申請はなかなか大変な事やった。でも今は基本的には、全部通る。。。つまり、タクシーの運転者さんという職業は、免許さえ有れば、比較的誰でも出来る商売やから、会社をリストラされた人たちの格好の受け皿になってしもたわけや。。。そら、運転手さの質も下がるわけや。。そして、昔はプライドを持って、立派な仕事としてタクシーの運転手さんをやっていた人たちは、収入が激減。半分以下になった人も出た。。。これが本当に良い事やったんやろうか。。。。
駅やターミナルのタクシー乗り場では、恐ろしい数の空車のタクシーが並んでいる。。。2時間この列に並んでやっと800円の水揚げ。。。1日のお客が10名かそこら。。。こんなの、やってられるわけ無いわなぁ。。。普通の市場原理的な考え方やったら、売上が下がったら諦めて、タクシーの台数が自然と減るはずなのに、逆に台数はどんどん増えて、1台あたりの水揚げが下がり続けているという現象が起きてしまっているのである。。。
これは、実は、タクシー運転手さんの給料が水揚げ金額の何パーセントという、歩合給というシステムになっているという問題が根底にある。つまり、タクシー会社は、あまり、リスクが無く車の台数を増やすことで、人件費を自分たちがかぶらなくてはならない・・・というリスクを回避しているのやね。。。これは、実は雇用形態の問題でもあるんや。。。
つまり、タクシー会社の賃金制度をせめて10万円ぐらいは、固定給として支払う義務があるようにしなければ、際限なく台数競争が繰り広げられるだけ。。。つまりは、無策の政策になってしまうのである。。。競争は、確かにええことや。でもね。1つの仕事としての品格やプライドや技量まで卑しめてええはずがないやんか。。。
スバリ、私は、これからは、行政が、有る程度の、ルールの押しつけをすること・・・は、やっぱり必要やと思うで。。。あまりにも酷い、これ以上の格差社会・・・を拡げないためにもね。。。