TOBは体の良い乗っ取りやんか・・・
7/25(火) 製紙最大手の王子製紙が、5位の北越製紙に経営統合を提案したと発表した。王子製紙は、北越製紙にラブコールを送り続けているのだが、7月23日に決めていた期限までに、色よい返事が貰えなかったことから、8月中旬から株式公開買い付け(TOB)で北越製紙株の過半数を取得し、子会社化した上で統合する方針であるという。もし、この経営統合が実現すれば、売上高世界第5位の巨大紙パルプメーカーが誕生すると共に、これが成功すれば、上場企業同士では初の敵対的買収ということになる。
ただ、北越製紙は、三菱商事に支援を求めていて、三菱商事対王子製紙のひっぱいあいの様相も呈してきた。会社は誰のモノかという以前の私のコメントでも述べたが、このような欧米型の買収劇というのは、日本の風土になじむのであろうか。。。という問題が残る。企業同士の統合は、相思相愛で初めて、うまくゆく。今回のように片思いの状況で、一方が勝手により小さい会社を乗っ取れるようになれば、より強者が弱者を喰っていくことになり、企業の寡占がより強まることになる。このことが、日本にとって、本当に良い事なのだろうか。。。日本の今後を占う意味でも、この動きは注目される。。。
私は、もし、こんなことを許せば、勝ち組はより大きくなり、負け組は強い者の下に入らなければならないという、自然界のような掟が人間社会でも起きてしまうと、思う・・・。いかにも狩猟型民族の乱暴な考え方である・・・。これが、社会とか経済の発展に果たしてつながることなのだろうか・・・。私には疑問に思えてならない。社会というものは、効率よりも多様性が求められるべきであろうし、これがより素晴らしい製品を競い合って創りだして行くという活力になる。
企業の寡占が続けば、こういった努力無しに、一定の安定したマーケットを守りさえすれば喰っていけるという、ぬるま湯体質が出来る。資源のない国・日本でこんなことをやっていたら、いずれ外国のより効率化を求める企業群に日本中の企業が食いつぶされてしまうのではないかという危機感がある。。。
アングロサクソンが決めた今の世界的なビジネスルールには、その地域には合わない部分がある。だから、このアジア人から見たら、明らかに偏向したルールの中に、日本流の企業観や日本的なアジア的な価値観も、盛り込んで行く必要があるのではないか。。。会社への忠誠心、あくなき品質へのこだわり、働く人にとっての企業のあり方、このあたりが、日本が世界に発信出来る良い部分なのやないだろうかね。。。
念のために言う、会社は株主のものではなくて、社員や経営者のものであると私は思う。株主はただの利害関係者であって、カネを出しているだけの人である。株価が安ければ買うし、高くなれば、平気で売る。企業に何の執着心もない、儲けのために動く、ハゲタカのような人たち。それが株主の実態や・・・。会社がこんな人たちに経営が委ねられて良いものか・・・。やっぱり企業は経営者と社員のもの。。。その方が、日本人にはしっくり来る感覚や。。。
かつて、ジャパン アズ ナンバーワンと称された日本型の企業経営術が、世界的に注目された時期があった。終身雇用で安心して仕事出来る環境。より高い技術力を生み出すための経済効率を度外視した研究。会社人間を育てることが企業の成績に直結していた時代。。。今の日本がもう忘れてしまった世界がここにあるような気がしてならない。。。