ギロチンエレベーター | 京都発、言いたい放題!~毎日更新~

ギロチンエレベーター

6/7(水) 「ものづくり日本」のプライドが、いま、揺らいできてしまっている。。。。日本の戦後は、「安かろう、悪かろう」のメイドインジャパンから始まった。この汚名を晴らそうと、日本の企業が血のにじむような努力を重ねて、「世界一の品質・世界一厳しいQC・世界一厳しい消費者」を1つづつ、コツコツと地道に積み上げて来たものである。高品質で、なかなか故障しない日本製品は、言い換えると日本人の誇りであり、その付加価値の高さと、独創性から日本が先進国の仲間入りをした原動力であったはずや・・・・。少なくともこの50年は・・・。

 ところが、ものづくりが日本国内で空洞化し、熟練した労働力が、優秀なマザーマシンに置き換えられ、ほとんどの日本企業の製品が海外で生産されるようになり、グーローバル化という流れが、一気に、日本の世界での優位性を吹き飛ばしてしまった。。。その結果、日本に、いったい何が残ったのやろう・・・。確かに自動車のトヨタは絶好調を続けているし、大企業の経常利益は、過去最高をまたまた更新したし、一見、良いことづくめのようには見える。。。

 でも、先日エレベーターの扉が閉まらずにカゴが急上昇し、一人の子供が挟まれて窒息死した事件。。。。扉も閉まらないのにカゴが動くような設計になっていた事自体が、不思議でならない・・・。こんな機械は、言わば、殺人エレベーター、ギロチンエレベーターやんか・・・。安全に人を運ぶべき機械が、事も有ろうか、人を殺してしまうのやから、その設計に、明らかにミスか、重大な落ち度があったことは明白やろう。。。

 このエレベーターの会社がシンドラーエレベータ。東京の会社なのに、何故か外人が社長さん。日本の会社だと思っていたら、ここの納入先は公共事業ばっかり・・・。日米貿易摩擦に乗じて、進出してきたのやろうか・・・。ここのメンテナンスをしていたのが、業界相場月6万のエレベータメンテを、わずか月2万でやるというSEC。日曜朝の報道2001のスポンサーで具志堅が宣伝してる会社や。。。SECのフットワーク。。。。おいおい、ホントにちゃんとメンテしてたんやろうなぁ・・・。蛍光灯のタマ換えるだけのメンテなら誰でもやるで。。。。人一人が死んだというのが、ひょっとしたら自分たちに責任があるかも知れないという認識が、果たしてあるのか・・・・。

 三菱ふそうのダンプが、古くなるとタイヤが外れて通行人に襲いかかる。六本木ヒルズの回転ドアに挟まれて子供が死ぬ・・・。JR西日本の最新型の電車がいとも簡単に脱線し、何百人の人の命を奪ってしまう・・・。これらは、日本の技術というものが、実はそんなに大したことではなくて、その設計や製造技術に一番大事な安全への配慮が欠けていたという、とても情けない例である・・・。

 人は機械と、共生している。人はマシンの恩恵を多く受けているのだが、このマシンが人を傷付けたり、命を奪ってしまうという、惨状がここにある。。。私は、世界の中での日本という国の優位性というのは、「日本人の優秀性」しか売り物がないと思っている。何も資源のない日本で、人だけが、他の国より優れている。これだけしか、日本が誇れなくなってくる。そうなった時、日本人が作るマシンの中に、「愛」が入ってないとあかん。人を大事に安全に移動させたり、助けたりするには、人を大事にする思想が、どうしても必要や・・・。

安全な機械を設計して、より人を便利にする。これを日本の設計者の人たちは、肝に命じて欲しい・・・。これしか、日本が生き残れる道は無いのやから・・・。