みんなが反対する裁判員制度・・・ | 京都発、言いたい放題!~毎日更新~

みんなが反対する裁判員制度・・・

5/1(月) やっぱり、日本は変な国や・・・。国民の7割もの人が支持していない制度が、何で施行出来るんや。。。。。法務省のアホ役人たちが、勝手に作ったような「裁判員制度」が、今、問題になっている。

 そもそも、裁判というものは、人が人を裁くものである。人間に、優劣はあるのやろうけど、その人のやったことが、悪い事か、悪くない事かということは、誰かがちゃんと判断して、これをきちっと、社会規範にしなければ、世の中のルールというものが規定されない。立法府である国会が、そのための法律を作り、司法の府である裁判所がその法律に則り、実際の事例を判断する。今までは、このルールでやってきた。

 この裁判官が正しい判断をしているかどうかは、最高裁判所の裁判官を国民審査で信任するか不信任にするかという形で、国民がチェックするというポーズで、何とか体裁を取り繕ってきた訳である。ところが、この制度、全く形骸化していて、よっぽど、マスコミが極端なネガティブキャンペーンでもしない限り、最高裁裁判官が罷免されることがない。もし、ちょっと極端な指向の判決を下す裁判官がいても、降格させて、高裁、地裁、簡裁、家裁と、別の職場は、いくらでもある。だいいち、最高裁の裁判官だけの人気投票をやっても、何にも意味が無いやんか。。。

 だから、事実上、裁判官は、よっぽど極悪人でない限り、罷免されることがない。裁判というのは、1人の裁判官が検事側と被告側、双方の意見を聞いて、進めるものだが、たった1人の判断で、人の一生が左右されるような、大変難しい判断が求められる。いろいろ、裁判の記事を見ると、どうもこの判決おかしいのやないかと、疑問視するようなものも多い。でも、その偏った判断を示した裁判官をクビにするようなシステムは、事実上、無いというのが現状である。

 本来、裁判所の組織内部で、正しい判断が出来る優秀な人材を確保、育成するのが理想なのだが、法務省は、驚くべき手法を採った。裁判員制度である。アメリカ映画を見ると、陪審員という人たちが、多数決で判決をするというのを、よく見る。これを真似たのが、日本の裁判員制度なのだが、これが、とんでもない現実離れした制度なのである。

 プロの裁判官は、その案件に関して、裁判までいろいろなことを調べあげる。出来るだけ正しい判断をするべく、証拠の裏付けをしたり、の調査をする。ところが、この制度、普通の主婦や、サラリーマンを、その時だけ裁判所に来てもらって、そこで判断をしてもらおうと言うのである。どうして、その人たちを選ぶのかというと、アトランダム・任意に選ぶというのである。

 例えば、私が窃盗罪で捕まったとしよう。無罪を主張するけど、裁判員がヤンキーの兄ちゃんで、その兄ちゃんがこいつは有罪やと、他の裁判員をそそのかした。そのおかげで、有罪にされる。。。こんなことも考えられるのである。。。

 逆に、私が裁判員やったとしよう・・・。暴力団組員が、対抗する組の組長をピストルで殺した裁判を担当して、私らが無期懲役を決めたとしよう。。。逆恨みした組員が、会社や家にやってきて、お礼参りにやってくる・・・。こんなことも無いわけではないのである。。。

 また、裁判員なんかに指名されたりしたら、会社はその人を休ませなくてはならないし、それやのに、その人の給料もちゃんと払わなければならないのやと・・・。これがおかしい。大企業の社員さんやったら、1人ぐらい取られても、他の人がカバーして何とかなるのやろうけど、中小企業で、トラックの運転手が一人裁判員に取られたら、もう一人雇い直さなければいけない。お役後免になっても、帰り場所の仕事はもうない。つまり、事実上クビにせんとあかん事になるのである。

 こんな現実を、何にも判ってない高級役人の感覚で作った法律。。。これが裁判員制度やろう・・・。この制度、私は、裁判官という職に携わる人たちの、職場放棄やとさえ、思うのである。裁判の数が増える割に、裁判官はなかなか増えない。大変な割には、稼ぎが少ない。人に恨まれることもある。同じ法曹関係なら、弁護士の方がもうかる。。。。こんな現実がないだろうか。。。

事実、私が見たことのある現実の裁判の中で、いったい何をやっているのかと言えば、意外にも、次回の開廷日程を決めるのに、弁護士、裁判官、検事の3人のスケジュール調整に、かなりの時間を使ってやっているのである。やっと決まった日程が1ヶ月後。。。これが裁判が長くかかりすぎる元凶である。裁判は正味10分なのに、次回開廷日時決定に5分。。。なんやこれ。。。

司法試験は、最難関の国家試験のひとつである。司法試験を受験する人たちの総数と質をいかに高めて、いかに優秀な多くの法曹関係者を確保するのかが問題である。いくら、この人たちが、なかなか集まらないからといって、いきなり、ど素人に任せてまえ・・・というのは、あまりにも安直で、あまりにもひどいアイディアなのではないか。まだ、日本には、そこまでの法意識が、土壌として形成されてない・・・。時期早少・・・。その感は否めないわぁ。。。まだ日本には早すぎると思うけどなぁ・・・。