心の中の狂気
4/27(木) とても、そんな恐ろしい事件を起こすような人には見えなかった・・・。とても、温厚な性格の人だった。。。ヤクザ映画に出てくるような、いかにもワルなヤツが殺人事件を起こすのなら、世間は納得するのだろうが、どこにでもいるような、大人しい高校生が、残忍な殺人事件を起こす。。。いつも、ニュースの度に、繰り返して報道されるパターンである。
人間なんて、そんなに単純でもないし、みんながみんな、聖人君主やない。意外と弱っちくて、ちょっとしたことで、心がバラバラになることもある。そんな生き物なのである。
和歌山県の高野山町で、70歳の写真屋のおじいちゃんが、メチォメチャに殴られて殺されていた事件で、犯人の高校生が大阪府にいた時の塾の講師に付き添われて自首してきた。この子にとって、この塾の先生だけが心の中で唯一の「味方」やったんやろうね。。。この子は、この春転校したばかりの、和歌山県のこの高校で授業中に携帯音楽プレーヤーで音楽を聴いていたのを先生に注意されて、むしゃくしゃして、人殺しをしたそうや・・・。
評論家のオッチャン方は「八つ当たり殺人」なんて好き勝手な名前を付けているが、もっと根が深いところに原因があると私は思っている。。。。犯人の男子生徒は、大阪府の高校に通っていたが、この春から全寮制の高野山町の高校に転校したばかりやった。転校の理由は「自立したかった」なんやそうや。。。。
でも、この子はやっぱり何か、心の中に闇を持っていたのやと思う。高野山の高校では、将来福祉関係の仕事に就きたいということなのだが、介護関係の仕事は、今でこそ注目を浴びてはいるが、現実は大変な肉体労働だし、勤務時間も長くつらい仕事である。収入的にも、そんなに高くはないし、若いうちしか出来ない仕事のひとつである。これを目指そうというのは、立派だし、何も文句を言う立場やないのやが、なぜ、この子がこれを目指すようになったのか・・・。こっちの方が大問題なのである。
今の高校は、やっぱり受験戦争のまっただ中や。勉強を頑張らないヤツは、自分の将来を若いうちから、早く決めろ、早く決めろ、と言われて、本当に決めきれるものなのか。。。自分に何が向いていて、何がやりたいのかなんて、まだ15、6歳ぐらいの時から、決めなければならないなんて、無理やと私は思うわけである。ところが今の先生は、早くから自分の目標を設定させて、それに向けて進路指導という名の、決めつけをする。
この少年が自ら転校した、というのは、よっぽどの理由があったんやと思う。何か、問題を起こしたとか、精神的に参ってたとか、友達とトラブルがあったとか・・・・。まして、高野山にある高校やろう・・・。ここは、精神修行の山やんか。。。まして、この高校、全寮制やろう。。。普通、自ら進んで全寮制の学校なんて入りたいと思うか????何か無いと、こんなとこ行かないやろう。。。
学校側の会見も気になる。「学校行事にも、積極的に参加してくれていた。。。」おいおい・・・、生徒が学校行事に、参加するのは当たり前ちゃうんかい。学校が「くれていた・・・」こんなに下でに出るのは、この高校が普通の学校ではないことを暗示しとる。言っちゃ悪いが、不登校とか、落ちこぼれの学校やなかったんか、ここ。。。学校側からしたら、自分の所の生徒が町で問題を起こした。。。管理責任を問われるのが恐ろしい・・・。だから、余計に普通の生徒を演出しよる。。。
さて、この高校に転校してきた生徒は、心機一転、空手部に入ろうとして、今回犯行現場になった写真屋さんに10日前に来ている。入部届に貼る写真を撮って貰ったようである。この時、ここのご主人さんと何があったのか。。。これは、判らん。でも、ひょっとしたら、「もう少し、髪の毛を少し短くしたら・・」ぐらい言われたのかも知れん。。。
こんな小さな事で、少年は「ムカッ」ときてしまうぐらいこの少年の心は微妙に、そしてガラスのように繊細で、触るだけで割れてしまうぐらいになっていた・・・。そんな風に考えられないか・・・。先生に注意されて「逆ギレ」するほどの勇気は無い。あの写真屋のオジイなら、絶対勝てる。。。そんなところやなかったんやろうか。。。そして、ちょっしたキッカケでこのおじいさんを殴り続けた。殴ればスカッとする。でも、この少年は人を殴った事など、生まれてこの方無かった。つまり、加減を知らなかった。殴ればスカッとする。これが快感になっていた。
そして、あまりにも殴りすぎて、気が付いたら死んでいた。。。。
世間は、ムカムカして、誰でも良かった。八つ当たりした。と、言う向きが多いが、やっぱり、この事件にも背景はある。心の闇は、他の人にはなかなか判らないものである。。。。。
もう、普通の人は、何に気を付ければ良いのか、全く判らない時代や。。。今の教育制度の中で、「心の教育」というものが、全然出来てない。その責任を親と教師がなすりつけ合いしている・・・。そんな事が、端的に出てきたような今回の事件やね・・・。