神社の縄張り-下京区の場合-
4/26(水) さてさて、若葉の美しい季節になってきた。気候というのは、不思議なもので、多少不順になっても、きっちり平年値に戻ってきよる。曇りや雨の日が続いていたかと思えば、この前の日曜日などは、初夏を思わせるような日差し。またまた、季節は一つ進んだようやね・・・。
この時期になると、比較的、天気も安定してきて、寒くもなく暑くもなく、過ごしやすい気候になってくるものである。この良い時期を迎えて、うまくしたもので、日本にはゴールデンウィークという長いお休みがある。昔から日本で、長いお休みと言えば、お盆と年末年始やった。地方から都会に出てきた人たちが、里帰りするこれらの時期と違って、4月末から5月初めの黄金週間は、行楽のイメージがあり、全国各地にある観光地では、この日に合わせて、イベントを組んだり、祭りをやったりして、行楽客の誘致合戦を行う。
京都も例外ではなく、年間4500万人もの観光客の訪れる京都市でも、長い冬、そして桜の季節が終わって、やっと本格的な活気が戻ってくるのも、この時期である。年間5000万人の集客を目指す。京都市も鼻息が荒い・・・。ゴールデンウィーク中に京都では、4/29に「曲水の苑」というのが、私の会社近くにある伏見区の城南宮さんである。平安貴族の扮装をした歌人が、俳句を詠んで、これを川面に流す。優雅な都人の遊びは、いつも全国ネットのニュースで流れる定番である。
他にも京都では、5/3に下鴨神社で流鏑馬神事があったり、各寺社では祭礼や狂言など様々なイベントが行われて、どこも人で賑わう。上賀茂神社・千本えんま堂・神泉苑・藤森神社・今宮神社などほんと、京都には寺も多いが神社も多い。面白いことに、こうした神社には各々、「縄張り」があるのを、皆さんはご存じだろうか。
たくさんの神社がある京都では、氏子という神社の運営を支える町衆たちがいて、その氏子たちの寄進によって、いろいろな祭礼がなされる。私の住む下京では、ちょうどこの境界線が入り組んでいて、下京区の東寄りで、概ね堀川通より東が「祇園さん」と呼ばれる八坂神社のテリトリー。同じ下京でも松原通より南側は、「お稲荷さん」と呼ばれる「伏見稲荷大社」の縄張りになる。また、下京の概ね堀川通以西になると、お酒の神様で有名な「松尾さん」・松尾大社の地域になるからややこしい・・・・。
この線引きは、大昔からなのだが、明治以降出来た、時代祭で有名な平安神宮というのがあって、これは、京都市全部がテリトリーやと、言い出したから、大変や・・・。
もともと、京都の人は、一党一派に偏らないというのを、モットーにしてきた。なぜなら、時の権力者がコロコロ変わってきた京都で、1つのところと懇意にするのは、共倒れになることを意味したから、リスクヘッジする意味で、薄く広くお付き合いをするという、自然発生的な防衛本能が身に付いていたのである。こうしないと、長く都に住み続けられない。つまり、都を追われる「都落ち」になったからなのである。都人の生活の知恵。これが薄く広くのお付き合いになっていったんやろうね・・・。
そのかわり、このお付き合いは、大変や。京都の人は、お稲荷さんに初詣するは、初えびすにはゑびす神社、成人の日は三十三間堂で通し矢、初弘法では東寺にお参り。節分には壬生さんで狂言を見て、桃の節句は北野の天神さん、醍醐の花見、と休む暇がないほど行事がある。葵まつりに祇園祭、時代祭。あぁ、数え切れない・・・。
ホンマ、こんなのが、年がら年中ある。まさに、京都は、街中がイベント会場のような街である。誰かが京都は劇場型都市やと言った。人に見せるタイプの観光が多いからなのだろうが、住んでいる者からしたら、実は、参加型のまつりなんやけどね・・・・。他の町のまつりは、確かに神輿であったり、面白い風習であったり、愉しさを前面に押し出したものが多いのだが、京都のまつりやイベントは、意外と、見ていて「楽しい」と思うようなものは少ないかも知れない。
それは、何故か。動きが無いのである。その代わり、本物の、逸品を見せて、見ている人を魅了するタイプのものが多い。京都しか出来ないオンリーワンがそこにはある。だから、どこにも真似が出来ない。それが京都のええとこやろうね・・・。さて、今度の休みあたり、ぶらっとどこかへ出かけて見ましょうか?