1円であなたも社長さん? | 京都発、言いたい放題!~毎日更新~

1円であなたも社長さん?


4/7(金) 会社法というのが改正されたというのは、皆さん、ご存じだろうか。会社というものに関する法律には、じつに色々な法律があって、今では10ヶぐらいの法律が、どんどん、つぎはぎのように追加改正され続けてきた。中には大昔の法文のモノもあって、カタカナと旧字体の難解な、法律独特の言い回しも多かった。こんなもん、普通の日本人でも意味が判らんわ・・・というのもあった。

 そこで、こんな法律を1つにまとめて、記述も現在の日本の現状に則したものにしようというのが、今回の法改正である。とはいえ、経済を規定するような法律は、常に流動的で、グローバルな流れが起こる。米国などの外資の仕掛けてくるヘッジファンドやM&A、敵対的買収やら、なんやらわからんホワイトナイトとかポイズンビルとか、そんな新手がどんどん現れてくる・・・。法律はルールを決めるという性質のモノだから、これらをしっかりフォローして、より国益にかなうもの、より公正なもの、より国民のためになるものにフレキシブルに対応していかなくてはならない。そうしないと、取り返しの付かないような甚大な被害を日本企業が受けることもあるだろうしね・・・。

 この改正法案の陰に隠れて、実は、大きな大きな法改正も行われた。それはこうである。今まで会社という形態には、株式会社のほか、有限会社、合資会社、相互会社などがあった。株式会社は資本金が最低1000万円無いと設立出来ないし、有限会社でも300万円無いと出来ない。つまり、会社は、どこのだれでも作ることが出来るモノではなかったわけである。

 ところが、今回、このハードルを大幅に低くして、たった1円の出資金でも株式会社が設立出来るようになったのである。それと、事実上、有限会社などが無くなった。全ての会社は株式会社ということに、法律上はなったことになる。このことが何を意味するか・・・。これを考えてみよう。

まず、1円出資で会社が設立出来るということは、株式会社の設立に証紙代やら定款の登録料などで24万円の費用が最低限かかるが、240001円あれば、どこの誰にでも会社の社長さんになれるということや。以前は、5年以内に資本金を1000万円に引き上げないとあかかったんけどね。。。。この事は大学生の学生さんが社長になって、どんどん起業するなんていう事を促進して、経済をどんどん活性化しようという政策や。これはこれでええこっちゃ。

 でも、こんなことが可能になったら、雨後の竹の子のように、会社をどんどん作って、5年以内にどんどん潰すような輩が出て来るのではないやろか・・・という心配がある。どうせ会社を潰すのなら、好きなことバンバンやって、稼ぐだけ稼いで、自己破産して、会社を潰して、また作ればええという、ピンポンダッシュのようなヤツが出てくるというこっちゃ・・・。起業家支援という美名の元に、こんなアホな案を考えた役人も役人や。ぜったい、これ問題になるで。。。

 会社というのは、その会社がやっていること自身やら、信用が会社の「売り」であるはずや。だから、そんなええかげんな会社をのさばらせたら、会社自身の値打ちというのが、だんだん無くなってくる可能性があるから怖いんや・・・。会社の社長さんは少なくとも、リスクを負って何某かの商売をやっている。

 たとえば普通の主婦の人が会社を設立して、社長さんになるのはいい。さて、この人は、自宅でインターネットだけで商品を仕入れて、それを転売するだけの会社をやったとしよう。ところが、この人は貯金が10万円ほどしか無いようなスカンピンの人かも知れん。ところが、この人が売るのは50万円のコピー機。市価は100万円ほどするコピー機やから、みるみる注文は集まった。。。コピー機のメーカーはこのスカンピン主婦の作った会社に商品を卸して、はたしてこの代金がちゃんと回収出来るかいなぁという疑問を当然持つやろう・・・。

 ひょっとしたら、この主婦は、1つの商品を写真にとってバーチャルな商店街に上げて、20人に売るだけ売って、金だけ集めて、夜逃げしてしまうかも知れない・・・。こんな会社にコピー機の注文を出して、金だけ払って、ドロン。商品は待てど暮らせど来ない。。。こんなことも、出来るわけや・・・。普通、消費者やら取引先は「会社」という、一応「お上が認めた金看板」を信用して、この会社なら大丈夫やろう・・・と、注文をするのだが、この看板へのハードルがあまりにも低くなりすぎると、これが金看板ではなく、ただの身分証明書ぐらいの価値しか無くなってくるのである・・・。

 現在、日本には300万社もの会社があるという。ところが、この中で、まともなと言えば語弊があるが、ちゃんと申告して納税している会社は何とたった8万社だけなのだという・・・。つまり、大多数の会社は、名前だけのペーパーカンパニーであるという実態がある。このニセ会社が何をしているのかというと、資産運営やら、営業権や免許の取得とか、節税のために「名前だけ」活動している会社なのである。こんな実態を放置しておいて、またまたペーパーカンパニーやら実態のない会社を作るハードルを低くするのは、ほんとうに大問題である。まともな会社がバカを見たり、不公平感が増えるような政策は、支持出来ない・・・。

全部の会社が株式会社ということになると、今まで株式会社にまでは出来ないけど、こじんまりと有限会社をやっていた街の八百屋さんやら電気屋さん、小さな不動産屋さん、などは、会社組織ではなくなり、ただの個人経営商店になるというこっちゃ・・・。この面では、会社を「足きり」することになり、決算の義務化などの費用が嵩むから、ペーパーカンパニーの割が合わなくなる可能性も有るわけである。

この事は、ひょっとしたら、会社数の激減を意味することになる。今まで社長さんやった街の電気屋さんは、自分の稼ぎを給与という名の人件費で落とせる会社じゃなくて、個人経営者になって、専従者の青色申告になるから、税務的により不利になる可能性がある。人を雇っていたなら、この人の身分も変わってくる。会社の厚生年金なら、社会保険も会社と折半やったのに、高い掛け金の国民年金にせなあかん。つまり、またまた格差社会が拡がって、大企業は勝ち組、小企業は負け組ということに繋がりかねない要素が大変多いのである。。。日本もホント、弱肉強食の怖い世の中になってきたもんや。。。国民みんなが、ほんとうに、それを望んでいるのかいねぇ・・・。