閉校になった小学校の跡地活用 | 京都発、言いたい放題!~毎日更新~

閉校になった小学校の跡地活用

4/5(水) 私の住んでいる京都市中心部の地域に、11年前まで格致小学校というのがあった。児童数の減少により、11年前に他の5校、7学区と一緒になり、洛央小学校に統合された。生徒たちは新しい小学校へ通うようになり、閉校になった旧小学校は、人影があまり見えなくなった・・・。洛央小学校に通っている元学区は、永松・開智・有隣・尚徳・修徳・成徳・格致の7学区だが、この11年でこの元小学校もどんどん姿が変わった・・・。

 永松小は四条河原町に一番近い立地からか、京都市教育委員会の施設として、先生たちの研修施設になった。開智小は、閉校になった学校が所蔵していた美術品などを展示する施設として、学校歴史博物館になった。尚徳中は下京中学として来年生まれ変わることになって、現在改築工事が進んでいる。修徳小は、老人健康施設として建て替え済み。成徳中は下京中学の体育施設になることが決まっている。

 有隣小跡は、五条署の建て替え時の仮庁舎になったり、今度建て替えが予想されている下京税務署などの入る庁舎のまたまた代替地になるのではないかという噂である。でもまだ最終的な成り行きは決まっていなくて、格致と同じく、「将来用地」となっている。京都市教育委員会は、学校統合の時、10年間という期限を切って、結論を先送りする事を明言していたが、その期限も近づいたのか、格致の跡地対策委員会というところに、「跡地をどうしますか?」という打診をしてきている模様である。

 現在、格致校跡には、空き教室を利用して、京都市ユースサービス協会と、立命館大学の研究部門の一部が入っている。体育館は堀川高校のクラブが使っているし、グラウンドの畑では洛央小の5年生が古代米というお米を育てている田んぼがある。地域の少年野球チームである洛央メジャーズのジュニアチームも練習しているし、体育振興会のバレーボールチームも、テニス同好会やらゲートボールクラブも、剣道クラブも使っている。運動会やふれあいまつり、体振の各種スポーツ大会でも、もちろん使っている。閉校になったとは、いいながら地域にとっては、中核施設であることに間違いはない。。。

 旧格致小学校は、もともと明治時代に、地域の人たちが、子供の教育のためならと、土地やお金を集めて設立した経緯がある。格致であれば、土地を寄付した黒田さんやら、お寺を移設した荒神さんなんかは、冗談だろうが、学校で無くなったのなら返して欲しいと言っている。土地の所有権の問題からしたら、京都市に寄付したのだから、京都市が煮て食おうが、焼いて食おうが、文句は言えないのだが、いろいろ寄付したりした地域の人たちからしたら、おらが学校的な意識がある。だから、京都市が、一方的に、跡地はこうしますと言えないような経緯がある・・・。

 京都市の方からしたら、いろいろ使いたいアイデアは有るのだろうが、たたき売って地域に反感を売っても仕方ないし、地域の方から要望が上がってこないと、なかなか手が出せないといったところだろう。。。ところが、跡地問題というのは、地域エゴがぶつかり合うところが大きくて、案を一つにまとめるという作業は、途方もないほどのエネルギーが必要やし、片一方を立てれば、こっちが立たず。の繰り返しになる。誰も火中の栗を拾う人もいないから、まず決まらないし、リーダーシップをとる人もなかなかいない・・・。

 数年前に広報委員会というところで、跡地アンケートというのをとってみたが、これが、本当に千差万別・・・・。体振関係の人たちは、グランドやら体育館をどうしても残せというし、老人施設にという人も多かった。緑地公園にしてほしい人もいれば、下京ドームに、いや図書館にと、ほんまいろいろ出てくるものや・・・。

私自身は、ちゃんとバレーボールのコートが1面取れて、少しでいいから観客席のある屋根の高い体育館が1個はどうしても欲しいと思っているのやけどね。。。格致の体育館は堀川高校の子らが、校舎の建て替えの時に、床をボコボコにしてしまったから、何十カ所もテープが貼ってあって、それに足を取られるからほんま危ない・・・。天井も低すぎるし、サーブを打つところは何と幅員30センチしかない。ほんま情けない欠陥体育館や・・・。まぁ、こんな調子でみんなが好きな事を言い出したら、結果的に何にも出来ないことになる。

京都市に任せたら、またどうせデイケアの施設やら、身障者の施設やら、役所の書類保管庫やら、埋蔵物の管理場所やら、ろくなものを持ってこないやろう・・・。つまり、役人達に都合の良いようなものになってしまう。これだけは避けたいところや。。。

 そこで、いろいろ話が出ても、あんまり収拾がつかないやろうから、私なりにちょっと、何か条件で整理してみようと思う。私は、学校の2軒となりに住んでいる者として、言わせてもらえれば、何を優先するかの条件で決めてみてはどうかと思うのである。ではどういう条件の施設が良いか・・・。

周りは背の高いマンションばっかりなので、せめて3階建てまでの低層の施設であってほしい。

夜間に施設周辺部が暗いので、防犯上でも、照明が常にある、明るい施設にしてほしい。

浮浪者やら暴走族が集まらないように、夜間は閉鎖され、管理された施設であってほしい。

当たり前だが、騒音や排気、危険な物質や菌などの出ない施設であってほしい。

ご近所としての要望は意外と少ないけど、こんなもんである。これなら、そんなに高いハードルではないと思う。

 では、現実的にどのような施設がここに望ましいのだろうか。ここ堀川高辻近辺では、染色関係の人が多い。また呉服の下絵を描いたり、紋書き屋さんであったり、糊を置く仕事であったり、デザイン系の仕事も多い。また、祇園祭の山鉾のうち5つの山鉾がこの地域にはある。これらの特色を生かす方向性になれば・・・・。私の勝手な妄想案であるけど、ちょっと考えてみた。

祇園祭ミュージアム・・・現在山や鉾のある町内では、会所と呼ばれる祇園祭の山鉾の装飾品やら部品を保管したり、お囃子の練習をしたりするところが、減ってきているという。本来なら、その町内の篤志家が家屋を提供して会所にしていたのだが、マンションの建設やら、後継者不足などで会所の維持管理が困難になってきている。そこで、各町内が管理している装飾品などを一元管理し、また、常設展示として、公開出来るものは公開して、祇園祭期間中以外の時期でも観光客に見て貰うアイデアはどうだろう。旧格致校では、現在でも四条傘鉾の子供たちの踊りや、お囃子の練習に使われており、地域の人などが自由に見学出来るのも良い事だろう。また、祇園祭期間中には、集客施設としての情報発信基地やら、イベント会場としての利用も考えられる。

若者文化を育てる・かくちスタジオ・・・京都市民の10人に1人は大学生という京都でも、音楽をやっている学生の練習場所が意外にもほとんどない。音楽といえばロック、うるさいと思われがちだが、クラシックや、ビッグバンド、コーラスなどの練習施設などは、驚くほど少ない。地下に作るなどの工夫をして、完全な防音対策を施した施設が有れば、若者文化の発信基地になる。レコーディングスタジオや、写真スタジオ、伝統的なデザインを若者に継承する施設としての活用方法も考えられるのではないか。。。また、ちょっとしたイベントやら、コンサートが開けるイベントスペースがあれば、賑わいが生まれる。新風館のような成功例があるのだから、官がやるのではなく、どこか優秀な民間会社にコンペさせて貸し出してみるのも手かも知れない・・・。あんまり賑わい過ぎても、困るかも知れないけどね。。。この部分はご意見の分かれるところや。。。

ショッピングモール・CAKUTI館と町家レストラン・・・京都には日本中に誇れるような第一級の伝統的な職人さんが多い。そんな職人さんたちが使うプロの道具は、なかなか普通のところでは、売っていないことがおおい。京都ならではの刷毛だけを売る店。染め物の染料やら特殊な糊、画材やら、金箔なんかの変わったモノを商うお店は市内に点在しているのだが、観光客やら一般の市民にも、そんな道具は興味津々なのではないか。こんな変わったもの売れるもんか・・・という商品が今売れる時代でもある。。。一澤帆布とか、あぶらとり紙のよーじやとか、舞妓さんが使うおしろいとか、そんなものを売るお店が集められないものやろうか・・・。ついでに、今流行の町家で、ちょっとした美味しいモノが食べられるレストランなんかもテナントで入ってもらってもええのではないか。お洒落な施設が出来ると、その街全体もお洒落になって、上る時代です。表参道ヒルズなんかの施設が出来るだけで、その街がぐっとステータスが上がる。今はそんな時代でしょうね・・。

京都彩り創作館・・・呉服業界、染色業界には、あさぎ色、うすねず色など本当にたくさんの色があります。また、格致は、憲法染めと呼ばれた黒染めの発祥の地でもあります。染め物を古くさいモノと考えずにね新しい目で、光を当てることにより、後継者の育成にも役立つ事が考えられます。日本独自の色の世界をいろいろ体験しながら実際に自分で染め物が作れたり、自分のデザインした図案がタペストリーになるようなインテリアを作ったり売ったりする施設はどうでしょうか。インテリアは老若男女を問わず関心の高い世界で、日本のように高度成長した社会では、市場としても有望です。呉服が不振でも着物地を使ったアロハシャツなどはよく売れているそうです。染め物もモダンなインテリアとしての将来があると思うのですがね。。。

以上、ちょっと考えてみました。