夜が明けるまえに永らく言葉の囚人であったわたしよ 今こそ反射神経だけを頼りに 心の 僻地まで駆けてゆけ どうか言葉に追いつかれず どうか言葉を振りほどき どうか言葉の茨を掻き分けて 詩人はうたかたの夜が明けるまえ 透明な水を汲みにゆく 門灯の灯りを消さぬまま また帰ってくるつもりなのか 手汗で錆びた名前さえ 玄関のドアに挿したまま