「プロメテウス」(Prometheus)は、リドリー・スコット監督による2012年公開のアメリカSF映画。
賛否両論のある映画のようだが、イクジジ的には、楽しめた。
個人的独断と偏見での「おすすめ度」
(◎強くおすすめ 〇ま~ △普通 ✕おすすめしない)
〇
以下、粗雑な感想
〇「エイリアン」はあまり興味のない映画だった(気持ちの悪いシーンがなじめない)。その「前日譚」として企画されたというが、関係なく独立の物語として楽しめた。
〇主な舞台となる2093年、アンドロイド、デヴィットのような存在が、昨今のAIによるロボットの進化の近未来を感じさせられた。感情は無いが高度の知性、判断力などを持ち合わせている。
〇「創造主」がテーマの一つとなるのは、西洋文化的、キリスト教的かな、と思えた。「人類の起源」に「創造主」を求める、必要とすることが理解できない。単純に「無機物→化学反応→有機物→DNA」の進化とならないか。キリスト教原理主義者も多く「ダーウインの進化論」を否定して「神による創造」を信じる国民が半数にも上るのだから「興行的」にもしかたがないか。ますますひどくなっているという分断の国、アメリカの一方の思想的宗教的?背景を考えさせられた。
〇たまたまNHKスペシャル「人体Ⅲ」(全4回)「 第3集 命のつながり 細胞40億年の旅 」 あらゆる生命体は、20種類のアミノ酸しかもっておらずすべての遺伝子に共通していること。それが発展高度化して高等生物が発生。すべての生命体は「兄弟」。
というような内容を視たので、余計に、「創造主」の存在には違和感を覚えた。
〇「父と娘」の葛藤も描かれる。批判があるように「登場人物」が多すぎて「物語の展開」が不消化、複雑でよく理解できないが、一つ一つ切り離して視るとそれなりに面白い。父(大企業のオーナーらしい。この宇宙旅行計画の発案者?。自らの不死を求めて?)に対して「治めることに成功した偉大な王は一代で死ぬものよ」と娘が反論する。父は宇宙船とともに、娘は地球への帰還で利己的態度をとり宇宙船の下敷きとなり、死ぬ。大富豪、宇宙旅行、不死などトランプ氏やマスク氏を彷彿させた。
〇12年前の作品だが、映像美は素晴らしい。また内容も現代のテーマとも十分関係しており、優れた芸術家は、預言者でもある、との思いも深くした作品。
〇3D版で映像美を堪能してみたい。



