私の夏休みは、台風7号から逃れるように金沢に飛んだ。

勿論金沢も暑かった。


日本列島が沸騰している。


毎年思うが、こんなにも夏は暑かったのだろうか?

この夏の暑さを乗り越えられるのだろうか?


逆にこうも思う。

何十年もこの酷暑の夏を乗り越えて生きている私は、もしや最強なのか。


猛暑の金沢では、暑いながらも加賀百万石であった名残が随所にみられた。

豊臣政権五大老の一人前田利家を藩祖とする加賀藩は、百万石を築き盤石な財政基盤を元に文化水準を高めた。

兼六園や長町武家屋敷、加賀友禅や九谷焼、加賀懐石やひがし茶屋街等々、実に人々を魅了する町である。


九谷焼の器屋や加賀懐石の和食屋や、北陸の海の幸をメインにしたお店や寿司屋等々、どのお店も日本を代表する観光地らしい、感じの良い接客であった。


金沢おでんも食べなくてはと思い立ち、急遽金沢の繁華街、片町交差点付近にある有名店へ予約の電話をかけた。


5分10分30分何十回電話をかけても繋がらない。


コール音は鳴っている。


はたして片町交差点付近にある金沢おでんの有名店は、本日やっているのだろうか?

電話の応答がないので、とりあえず片町へ向かってみた。

お店の入口には、「本日機械が壊れて現金のみ」的な貼紙。


やってるな!


入口を開け、入れるのかを店員に聞いてみる。

「入れるけれど現金のみで、セットメニューのみ。」との回答。


現金でセットメニューを了解して着席。


セットメニューはグラスビール・小鉢・金沢おでん・お刺身・揚げ物か焼き物。

どんなおでんかどんなお刺身か、どんな揚げ物か等々詳細な内容は出てくる迄分からない。

セットメニューのオーダーと同時に、ビールの気分ではなかったので、ドリンクもオーダーした。


お料理はテンポ良くでてきた。

金沢おでん以外は。

入店してから帰るまで、店内には電話のベルは鳴りっぱなし。

そうこのお店は、電話はあるが出ないパターン。

なぜ電話を置いたんだ?と聞きたくなる。

金沢おでんはまだきていないが、おつまみをタッチパネルでオーダー。

これまたテンポ良くタッチパネルでオーダーしたおつまみが出てくる。

ちょっと待てよ、ここ金沢おでん屋だったよな金沢おでん食べなくては、というか金沢おでんでるんだよね?


声をかけてみる。

「このセット金沢おでん付いてますか?」金沢おでんは1分でてきた。

忘れていたみたいだけれど、それもご愛嬌。


出てきたおでんを食べ、セットに無いおでんを追加オーダーと思いタッチパネルを探ると、おでんのページがない。


声をかけてみる。

「おでんのオーダーいいですか?」


店員

「おでんはセットメニューのみです。」


えっ!

えっえっえっ!

えー!!!


おでん種って好き嫌いあるよね。

食べたいおでん種オーダー出来ないってどうなのよ。


これが加賀百万石の金沢おでんなのか。


速攻現金で払って店をでた。


お店のHPを見ると

創業昭和2年「ようこそのおもてなし」


これが加賀百万石のおもてなしなのか。


勉強になりました。