母の介護などで
仕事をかなり控えていて


働いていないと
夫とのことばかりに
どうしても捉われてしまう時間を
たくさん過ごしてしまって


いつまでやってるつもり?
と 
自分の中の別の自分に聞かれたりする
そんな毎日で


久しぶりに6連勤して
通勤帰り
一番のピーク時間を過ぎた夜の9時過ぎ
ホームに降りて
階段を登って
改札口まで向かう
まだたくさんの人たちがいて
仕事を終えて
みんな家へ帰る
階段を一段一段登っては進む
改札口を出て
バラバラになってそれぞれの家へ帰る


横に並んで
階段を登っている若い夫婦に見える
通勤帰りの人
そんなにベタベタしていないから
若い夫婦かなと
そんな気がした
穏やかに会話しながら改札口へ
ふたりで向かう



私にも
そんな時が
はるか昔にあったなぁ



なんだか
そんなふうに思った



私はこれから家へ帰るけど




帰れば家に
あの夫がいるけれど




私はあの時から
愛するべき人を失くしてしまったんだな…


それまでは
夫が
私にバレなければ不倫やら浮気やら
する人だとは
思っていなかったので


だって自分の夫ですから
信じたいですもんね…



なんとかやっていけないもんかねぇ
ってあなたは言ったけど



仕方なく
十何年もなんとかやってきたのよ


それにもう
疲れてしまったの


大恋愛ではなかったけれど
この人と一緒に生きていくんだ
この人を愛して
ふたりの一生を大切にして
一緒にずっと生きていくんだと

思っていたよ



私は
夫の不倫がわかってから
愛するべき人を失ったんだなぁ…と

私が愛する人は
あの18年前に
もう居なくなってしまっていたんだな…と




18年経ったいま


夫が待つ家へ帰る道を歩きながら



なんだかつくづくそう思いました



あの若い夫婦にも
私のようなこんな日が
今日の私のように
こんな気持ちになることが
絶対に起こりませんように…
そんなことを願いながら
夫の居る家へ向かう



家で待つ夫は

家で待つ夫が
もうずっと

私が愛したいひとでは
なくなっていた


そういうことだったのです