夫はその昔
会社で
部下の女と
こっそりつきあっていた



一緒に出張へ行き
そこから
2人だけで
仕事が終わったあとに
夜な夜な
会うようになっていた



まさかそんなことになっているなんて
全く思っていなかった私には
それこそ青天の霹靂



女からのメールで気づき
その場で夫に問い質し
不倫が事実だと認識した瞬間
あんなにも突然泣き出したことは
いろいろあった私の人生でも
後にも先にも
あの時だけだったと思う




こんなこと
絶対にしたくない経験で
経験したことなかった人間には
きっとわからなかった種類の
感情なのだろうと思うのだけれど




あの瞬間は
自分で自分を
コントロールできていなかったと思う




その不倫相手は
結局結婚してもずっと辞めずに
夫と同じ会社で働いていて
どのくらい前からなのか
また同じ支店にいた
それが数年前
夫というひとに耐えられなくなって
爆発した私に詰め寄られて
一緒の社屋で働いていることを
白状することになった夫




そこから
私は知らなかった女の顔を
どうしても見たくなり
夫に探偵でもなんでも頼んで
写真を見せろと迫り
なにもしない夫を日々責めながら
ネットで自分で探し
そして女の顔を見つけた




美人だと
夫の同僚からも聞いていたので
そうなんだろうと思っていた





でも
私には
その女が美人かどうか
判断なんか
つかなかった




私にとっては
既婚者の夫が
夜な夜な付き合っていた女でしか
ないから




私にとって
その女は
既婚の夫が隠れて付き合った
女でしかないから




私にとって
その女は
既婚者と付き合えるような女で
そんな女でしかなかったから





なにも知らないただの人として
女を知ったら
きっと美人だと思ったと思う





自分を棚に上げて
一般的な女性の容姿について
いつもいろいろと
揶揄していた夫だから
それが不細工な女性だとしたら
夫は相手にしなかったのだろうと
思ってはいたので


…とは言え
私と結婚したあたり
そこは怪しいのだが




とにかく
一般的に言ったら
もちろん私より美人
そして若い 




でも
なんかどうでもよかったです





ただ
事実をなかなか
受け止められないだけで




事実を受け止めたくない
それだけで




女は既婚者に向かって
好みのタイプだと迫る女です




私の友達には
そういう人はいないし
私のなかで
それは人の生き方ではなく
私の生きてきたなかで
そういう人は
別次元の人という認識






女のしたことは
許せないけれど





女と夫が
私にしたことも
心底許せないけれど





女が何度も私の住むこの家の 
電話を鳴らし
私の声を何度も何度も聞いていたこと
許さないけれど









私の中で
その女は
そんな人間だということです






そして
一番考えたくなかったのは





一番考えたくなかったのは




私の夫が
そんな女を相手にし
家にも帰らず毎日
そんな女に会うような
そんな人間だった






そんな次元の人間だった



ということです