『大学入試 受かる英単語 ソクラテス2088』
著者 河合塾講師 古藤 晃





はじめに

「どうしたら英語の成績が上がるか?」
これまでにいったい何度、こうした質問を聞かされたことだろうか。

その度に私は、「どうして英語ができないのか、その原因を考えてごらん」と逆に問いかけることにしている。するとたいていは「うーん、文法力がないからなぁ」とか「構文ってのが苦手だから」などと答える。

そこで私は「でも、その前に、まず単語を覚えていないんだよね」とずばり言う。単語を結びつける法則が文法だし、構文などはその中の一部にすぎない。つまり、文法も構文も、単語あってのものなのだ。

英語に限らずどんな言語も、単語を知らなければ使いこなすことはできない。君たちはいま日本語の文章を読んでいるが、もしかりに“君達”“日本語”“読む”といった単語の意味がわからなかったら、この文は理解できないはずだ。

だから、英語ができるようになるにはまず単語を覚えることだ。文法はその後についてくる。この当り前の事実を、まず確認しよう。

さて、そこで単語を覚えるわけだが、君たちの多くはこれをつらい作業と考えてるらしい。だが、それは基本的に間違っている。ひとつのシステムにのってきちんとやっていけば、そう困難なことではない。

本書はそのひとつのシステムを提供する。全体は、いくつかの大きな柱と、さらにいくつかの小さな梁から成っており、それをひとつずつ自分のものにしていくことだ。ちょっとした努力で自然に力がついてくるはずだ。

それから、もうひとつ。こうして覚える単語は“一生もの”であることも言っておこう。世間には、受験勉強など何の役にも立たないという人もいるが、これはとんだ誤解だ。こと英語に関しては受験勉強は役に立つ。まわりに英語のできる人がいたら聞いてみるがいい。口をそろえて、基本的なことはすべて受験の英語で習ったと言うはずだ。特に単語はそうだ。合格目指して必死に覚えたものがそのまま頭に残り、日常に用いる基本語彙となっている。

したがって、君たちが本書を使いこれから身につけていく単語は、単に大学合格のみならず、より豊かな人生をも開いてくれるのだ。そう考えると、単語を覚えるのも楽しくなる。

これでわかるように、この本は、単に単語を分類し羅列しただけのものではない。ちょっときどって言えば、君たちの知的世界が広がるようプログラムされている。「特別講義─本番に強い英単語“超整理&記憶法”」よく読んだうえで、取りくんでほしい。始めてみると、つらいと思っていた作業が不思議に楽しくなるはずだ。

「もっとも立派で、それでいてもっとも容易なのは、できる限り善くなるよう自ら心がけることだ」といったようなことをソクラテスは言い残した(とプラトンが書いている)。

なお、本書のCD版、カセット版もある。耳から入る音は記憶に残りやすいので、積極的に利用してみたらどうだろう。

さぁ、本書を使って単語力をつけ、すばらしい人生を切り開こう。