『脳が教える1つの習慣』

著者 ロバート・マウラー
監訳 本田直之
翻訳 中西真雄美







監訳者の言葉

「人生を変えるには、まず、脳の仕組みを知らなければならない」

これが『脳が教える1つの習慣』の最大のメッセージです。


中略


脳という仕組みの中で生きているのが人間です。

それなら、脳の習性にそむくことをしても、なにひとつ効果が出ないのは、当り前すぎる理屈です。


中略


著者であるロバート・マウラー博士は、
UCLA医科大学の臨床心理士であり、医療現場はもちろん、
各国企業や英国政府の依頼を受け、
医学的アプローチでのコンサルティングを行っています。


中略

彼のアプローチのユニークな点は、徹底して脳の仕組みを調べ、臨床現場でそれを検証し、さらに多面的な調査を加えたうえで、メソッドを築いた点でしょう。


中略


たとえば、新しいことを始める際には、
脳の抵抗を避けなければならないという大原則。

脳は新たな試みに恐怖を感じる性質があることを知らずに、
それを迂回しなければ、
何をやってもうまくいかないというのです。


中略

また、「新しい変化は恐怖を引き起こすが、それが気づかないほど小さなものであればうまくいく」という原則についても、マウラー博士は脳科学をもとに、説明しています。


中略

しかし、わたしが意識せずにやっていた「しょぼい習慣」は、本書で言うところの「脳の拒否反応を迂回する最善の方法=小さな一歩を実践する習慣」だったわけです。


中略

冒頭で述べたとおり、一流といわれる人は、無意識のうちに脳の拒否反応を迂回するやり方を身につけているはずです。

中略


挫折する人は、脳のしくみを知らないのです。

脳科学に逆行するような「方向違いの努力」をし、くじけてしまうのです。

●すぐに結果を出したい
●目標を達成するには厳しい自己鍛錬が必要だ
●つらいことにも耐えるために、セルフマネジメントをしよう

こんな思いこみのもとに、歯を食いしばって「つらい努力」をしても、最初から無理があります。

語学マスターにしろ、仕事のスキルアップにしろ、ダイエットにしろ、最初は意気込みもあって頑張るでしょうが、数日後には疲れてくるのが普通でしょう。

すると、おなじみの言い訳の出番となります。

「時間がない」


中略


一方、うまくいく人は「サラリーマンで時間がないけれど、この条件で、どうしたら新しいことができるだろう?」と自分に対して問いかけています。


中略


本書には「脳は変化を恐怖として避ける一方、創造性をつかさどる大脳新皮質は、質問を好む性質がある」というその原則が説明されています。

質問は、脳を「目覚めさせてくれる」というのです。


中略

もう、何を始めても長続きしないと嘆く必要はありません。ただ、脳の仕組みを知り、ごく当り前どころか、ばかばかしく思える小さな一歩を実践していけば、どんな目標もかなうのです。

中略

より多くの方々に、思い描くとおりの人生を送っていただきたいと願ってやみません。

本田直之




ブログ主が考える本書のポイントはふたつ

①大きな変化は恐怖を生む
②小さな変化とそれに対する慣れは安心感と自信を生む

↓流れにするとこう


革新的な変化を試みようとする

失敗を想像する余地が生まれる

恐怖が生まれる

失敗の苦しみを回避するためにチャレンジそのものをあきらめる


馬鹿馬鹿しいほどの小さな習慣から始める

失敗できないほどに簡単なことだから挫折を想像できない

安心感

継続しているうちに自信がつく

自然とチャレンジの難易度をあげていける



馬鹿馬鹿しいほど小さな変化と、目標達成をイメージで結びつけることができるようになれば、本書の内容を実践できていることになるだろう





具体例があるとわかりやすいので、
第4章 小さな行動を起こす
『あえてばかばかしい「小さな行動」から始める』

から引用します。




●あえてばかばかしい「小さな行動」から始める

私がほとんどのクライアントに勧めており、私自信も継続的に活用している練習方法を紹介しよう。

1人で行ってもいいが、信頼できるパートナーに手伝ってもらったほうがうまくいくケースが多い。

まずは、改善したい点や目標のうち、
もっとも簡単に効果が出るものは何か考えるところから始めよう

そして、小さな質問を使って、あなたにもっとも適した最初の一歩を決める

たとえば、一番簡単に成果が出るテーマは健康だとする。

そうしたら、パートナーにつぎの質問をお願いしよう。


「もっと健康になるためには、あなたにできる小さな一歩はなんですか?」

たいていの人はまず、「体重を落とす」「もっと運動をする」と答えるだろう。

すばらしいスタートだが、減量や運動は正確にいうと小さな一歩ではない。

現に、革新的方法─ダイエットを続ける、ランニングを始める─を試し、失敗した人も多い。

そこで「くだらないと思えるほど小さな一歩」を見つけよう。心の中に住む「もっと大胆で大きな行動を、いますぐ、きちんとやれ!」と要求する、批判的な声に応えてはならない。

これを避けるために、パートナーにはあなたの脳が「とても簡単で、毎日必ず実践できる小さな一歩」を生み出すまで、何度も同じ質問を繰り返してもらう。


「もっと健康になるために、あなたにできる小さな一歩はなんですか?」


ありがちな答えが「食べる量を減らす」だが、このようなあいまいな目標は、達成するのがむずかしく、維持するのはもっと難しい。


「もっと健康になるために、あなたにできる小さな一歩はなんですか?」


もう一度、問われると、「チョコレートを食べない」という多少具体的な答えになるかもしれないが、まだ大きすぎる。

だってそうだろう!

チョコレートを食べるのを簡単にやめられるのなら、ダイエット業界はつぶれてしまう。


「もっと健康になるために、あなたにできる小さな一歩はなんですか?」


これだけ繰り返されれば、「チョコレートを食べる量を減らす」など具体的な答えが出るかもしれない。

惜しい、だが、まだダメだ。

同じ質問を何度も聞くことで、あなたの脳が質問を取り込み、じっくり考え、より創造的な答えを考えはじめていることがわかるだろう。


「チョコレートは食べる、だが最初の一口は捨てる」


それだ!

これは食事量を制限できるようになるためのすばらしい方法だ。あなたの目はチョコレート全体を見ているが、あなたの脳は食べる前に一部を取り除くことを学んでいる(最後の一口を捨てるのは困難なので注意)

明日になれば太陽がまた昇るのと同じくらい、自分には当り前にそれができると確信できれば、その一歩は充分に小さいといえる。



もう一つ、机の整理というテーマを考えてみよう。


中略

結局、一日の終わりに二分だけ、書類のフィリングをする、あるいは書類を一枚だけファイルする、整理が上手な人にヒントを一つ訊く、という結論を出すことになる。

疎遠になった親と仲直りするというテーマはどうだろう。


中略

多くの人にとってたやすい最初の一歩は、
毎日一分間だけ親の長所を頭に浮かべることだろう。

親が自信たっぷりで厳しい人だったら、毎日一分間、親が恐れているもの、自信がないものはなんだろうと考えるのもよい。

中略

最初の一歩は本当に小さなものにすると心がけていれば、
成功に向かっていける。

最初の一歩を楽しめるようになったら、つぎの小さな一歩に進むべきか判断する。

現在の一歩が自然になんなく実践でき、それが楽しみにさえなってきたら、準備ができたと考えてよいだろう。

けれども自分がそう思わないなら、誰かに言われても、変化のペースを上げてはいけない。これまで説明したようなレッスンを使って、あなたにもっとも適したつぎの一歩を決めればよい。

ここでも必ず結果を出せるものにすること。

さらに小さな一歩を三歩、四歩……と続けていくうちに、あなたの脳はためらいを払いのけ、ペースをどんどん上げていく。

どうも気が進まないとか、やらない言い訳を探している自分に気がついたら、
もっと小さな一歩にもどるべきだ。



以上、引用おわり


本書には仕事・家庭・健康などあらゆる問題を「小さな一歩」で乗り越えていく具体例がつまっています。続きが気になる方は、ぜひ購入して読んでみてください。