文化財庁は20日、この「ハングル霊碑」(ソウル市蘆原区下渓洞12)を宝物に指定予告した。
全体の高さが190センチになるこの碑は、朝鮮王朝中宗(チュンジョン)代の1536年に文官イ・ム
ンゴン(1494‐1567)が両親を合葬した際に建てたもの。碑石の前面には漢文で両親の一代記な
どが記されており、横面には漢字で「霊碑」と書かれ、その下にハングルの碑文が記されている。
「この碑は霊を祭った碑で、この碑を毀損(きそん)した人は災難を被るだろう。これを文字の読め
ない人々に知らせよ」
当時、墓を建てた子孫らが、漢字を知らない人々により墓が壊される可能性を懸念し、ハングル
で記したのではないか、と専門家らは分析している。延世大のホン・ウンピョ教授は「ハングル制
定から100年も経たない時点で、ハングルがどれだけ多くの民に知られ、使用されていたかを証
明する貴重な遺物だ。また、ハングル制定初期の書体も知ることができる」と評価した。
「死者の安息を妨げる者にはたたりがあるだろう」というエジプトのツタンカーメン王墓の碑文とも
内容が類似しているこの碑石は、最近道路の拡張工事などで2度にわたり移転された。
また文化財庁はこの日、「ハングル霊碑」のほかにも「霊山会上図」「善国寺乾漆阿弥陀仏座像と
伏蔵遺物」「大方広円覚修多羅了義経」「妙法蓮華経三昧懺法・卷上」「大仏頂如来密因修証了
義諸菩薩万行首楞厳経」「経国大典」など7点を宝物に指定予告した。