大学生のとき、こういう女性の後輩がいました。
「ねぇねぇ、高梨さぁん、××ってなんですかぁ?」
語彙が少ないようで(大学生なのに)、ちょっとでもムズカシイ言葉を使うと、その意味を聞いてくるような女の子です。
それを、甘えた声で、上目づかいでしっかりとこっちの目を見ながら、あるときは身体をピタっとくっつけて言ってくるのです。
媚びているのは分かっているのに、ついつい笑顔にされてしまう。
多くの男性は、女の子にそういう振る舞いをされて悪い気はしません。
若い男だったら、胸キュン
しちゃいますね(笑)
同性にはあまり好かれないようですが(笑)
まぁ、今で言う“不思議ちゃん”を演じているのだな、と私は勘ぐっていたのですが、ひょっとすると、本当に言葉の意味が分かっていなかったのかもしれません。
自分が知っていることを相手も知っていると、勘違いしてしまう場面もありますね。
自分が当たり前に使っている言葉も、相手には通じづらかったりします。
私はあるとき、外国人の講師のセミナーを受けに行きました。
私は英語が聞き取れないので、通訳を介して、その外国人講師の話を聞くわけです。
すると、通訳の人がしきりに「コミットするのです」「コミットが重要です」と言うのです。
当時の私は、その「コミット」の意味が分からなかった!
そんな私の事情など知るわけもなく、通訳さんは大場久美子が脳内に浮かんでは消えるくらいに「コミット」を連発するのです!
「コミットってどういう意味ですか?!コメットさんとどう違うんですか?!!」と質問したかったのですが、周りの受講生が「うん、うん」と聞いているものだから、できなかった…
結局、その意味が理解できないまま、セミナー終了…
こういうことを、私たち講師もしているかもしれません。
無意識に、受講生にとっては複雑で難しい言葉を使っているかもしれません。
その言葉が難しいかどうかは、受講生の語彙の多さによりますね。
どれだけ言葉を知っているかどうか。
そして、語彙が多いことが、その受講生が必ずしも賢いとは限りません。
逆もしかり、ですね。
しかし私たちは思うのです。
「先生の言ってること、難しかったです~」というフィードバックを受けると、「それはあんたがおバカなだけじゃないの?!」と。
私はリフレクソロジーを教えていますが、「手に職」系のセミナーに来る受講生は、高学歴の人は少ないです。
冒頭の後輩のように、大学生のように若くて新鮮な脳の持ち主であっても、言葉をあまり知らない人もいます。
高齢の方の多くは、いわゆる“横文字”を知らないですね、コミットとか。
そこで「難しい言葉は極力削除しよう!」というのではありません。
いや、理想は「子供でも分かる言葉で話そう」ですが、難しい言葉は人によって異なりますね。
そして重要なことは、言葉の“意味”は同じでも、“定義”が人によって違うのです。
意味とは、言葉の内容。
「これは、ああいうものです」ということ。
定義とは、言葉のくくりを限定すること。
「これは、あれということにします(なります)」ということですね。
例えば、冒頭の不思議ちゃんが「高梨さぁん、好きなんですぅ」と言ったとします。
すると、私は「あぁ、この娘は私に恋をしているのだな」と思うわけです。
しかし、不思議ちゃんは「人間としての高梨さんを尊敬しています」と言っているのかもしれないのです。
「好き」という言葉の“意味”はそのままですが、“定義”がかなり違っていますね。
どういうことをもって「好き」と言うのかがあいまいです。
そこで今回、私はこういう提案をしたいのです。
「難しそうな言葉や、定義があいまいな言葉を使うときは、その場所での定義をシンプルに説明しましょう」ということを。
重要なことは「シンプルにする」ということです。
私はプレゼンテーションやスピーチの授業をしていると、よく「権威」という言葉を使います。
権威という言葉は「偉そう」というイメージを多くの人が持っていますね。
辞書で引くと「服従させるような威力を持っていること」という“意味”が載っています。
凄まじく、偉そうですね(笑)
意味を話すよりも、定義づけする方が簡単です。
私はこう受講生に伝えます。
…「この人、すごい!私より上だ!」という気持ちを持ってもらうことを、ここでは権威ということにします。…
シンプルですね。
このようにすると、「先生の言っていること、難しかった~」というフィードバックが減ります。
女性が男性に「好き」と言うときも、使ってみると良いと思います。
「私の“好き”は人間性が、ってことだから。男女として、ってことじゃないよ」と。
勘違いストーカーが減るでしょう(笑)
