うつは、危険な世界から身を護るための戦略。 | 救魂録

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カルトや発達障害や自己啓発など潜り抜けてきたカトリック信徒のブログです。

 

 

 

 

脳にとって、ストレスとは、「ここは危険だ」という意味です。

 

人類の歴史上ほぼずっと、それがストレスが意味するところでした。

 

 

 

 

したがって、うつ症状は「天然の防護服」と言ってもいいかもしれません。

 

 

うつは、危険な世界から身を護るための脳の戦略という説を裏付けるヒントは、

私たちの免疫系にあります。

 

 

 

うつになるかどうかは、遺伝子の影響も大きいと言われています。

 

 

しかし、うつの遺伝子というものは存在しません。

 

 

何百もの異なった遺伝子が少しづつ貢献しています。

 

 

それにかかわる遺伝子を調べていくと、驚くべきことが分かりました。

 

 

 

うつのリスクを高める遺伝子には免疫を活性化させるものもあるということです。

 

うつと免疫には予想外の遺伝子的つながりがあったのです。

 

 

ということは、脳にとって、うつは感染症から身を護るための手段なのかもしれません。

 

 

感染症やけがのリスクがある状況から逃げ出そうとするメカニズムもあるのです。

 

 

 

実際に、うつを引き起こすリスクに影響する遺伝子には、役割が二つあります。

 

 

ひとつは、免疫機能をきちんと作動させること。

 

もうひとつは、危険やけが、感染症から距離を置くことです。

 

 

後者は、その人間をうつにすることで達成されます。

 

 

 

 

うつは、人間を助けるために発達したのです。

 

もちろん、この事実が打つに苦しむ人にとって何の慰めにもならないことはよくわかりますが・・・。

 

 

 

 

 

それでも、私たちが、自分の感情が果たす役割を理解することは大切です。

 

不安が私たちを危険から救って来てくれたことや、

うつが感染症や争いから身を護るための術だったと知ればこう考えることもできます。

 

 

「鬱になったのは自分のせいじゃない。

ただ、脳が、進化した通りに働いているだけ。

その世界は、今いる世界とは全く違ったのだから。」

 

 

 

ストレス症状というのは、警告フラグの姿をした神の恵みなのです。

 

ストレスとは本来何なのか、どんな兆候が表れるのか。

 

それを理解すれば手遅れになる前にペースダウンすることが出来ます。

 

 

 

 

生命体は、必ずしも「一番強いものが生き残る」わけではありません。

 

 

一番強いとか、賢いとか、ストレス耐性のある人が必ずしも生き残れたわけではありません。

 

 

危険や争いを避け、感染症にかからず、常に食糧不足の世界で餓死しないことも同じくらい大切でした。

 

 

今これほど多くの人が鬱や不安に悩まされている大きな原因はそこにあるのではないでしょうか。

 

その特性が私たちを生き延びさせてきたのです。

 

 

 

不安やうつは人間の生存率を左右してきました。

 

身体のストレスシステムが、危険な世界で私たちを守るべく進化してきたのです。